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第34期役員理事名簿
第34期 (令和4年6月1日~令和5年5月31日)役員理事名簿
会長
新関良樹(徳島文理大学)
副会長
総務
平田 和也(荏原製作所)
編集
榊原潤(明治大学)
企画
染矢聡(産業技術総合研究所)
理事
総務理事
総務理事 総務委員長:伊藤貴之(お茶の水女子大学)
総務理事 副委員長:元祐昌廣(東京理科大学)
総務(財務)理事 :菊地謙次(東北大学大学院)
総務(財務)理事:宮地英生(東京都市大学)
総務理事:丹下学(芝浦工業大学)
総務理事:富松重行(電業社機械製作所)
編集理事
編集委員会委員長:松田佑(早稲田大学)
編集理事編集委員会副委員長:山本憲(大阪大学)
編集理事:二宮尚(宇都宮大学)
編集理事:坂本尚久(神戸大学)
企画理事
企画委員長:加藤千恵子(東洋大学)
企画理事:木倉宏成(東京工業大学)
企画理事:川口達也(東京工業大学)
企画理事:荒川拓也(富士通)
企画理事:坪倉誠(神戸大学)
企画理事:石井英二(日立製作所)
監 事
桑原譲二(フォトロン)
竹島由里子(東京工科大学)
事務局長
根岸久子(一般社団法人 可視化情報学会)
第41回 可視化フロンティア「PIV講習会2022」
~可視化情報学会CPDプログラム(技術士継続教育)~
概要
脱炭素社会のためには様々なシステムの最適化が重要であり,様々な流体機械の最適設計のためにPIV(粒子画像流速計測法)をはじめとする流れの可視化計測技術が活用されています.本講習会はPIV(粒子画像流速計測法)に焦点をあて,PIVに関する様々な技術情報を提供することを目的としています.近年CFDなどCAEベースで短時間で効率的に設計することが重要となっています.CFDの高度化・汎用化が進み,設計に適した計算負荷の低い方法も提案されていますが,今もCFDで予測不能な現象は多く解析ツールの検証が不可欠です.適切なモデル化のためにも実現象の計測評価が欠かせません.
PIV計測技術の進歩は著しく,極めて複雑な流れを多次元で計測できる可能性が広がっています.また,多くのPIV計測システムが市販され,企業・大学等における技術導入が進んでいます.これらのシステムではトレーサ粒子像を撮影してソフトを動作させれば,何らかの「もっともらしい」データを得ることができます.正しい結果であると信じたいところですが,実は“もっと正しい”結果を得ることができるかもしれません.測定対象のシステムや機器が複雑で思いどおりに適用できない,綺麗な映像を得ることが難しいといった壁にぶつかることも少なくありません.測定対象の流れ場に適用できるのか?どのような工夫が必要なのか?使用法・適用法に関する情報が乏しいため,『こんなやり方でいいのか?』という点にすら不安を感じるのではないでしょうか.本講習会では,広く普及しつつあるPIVをよりよく理解し,適切に活用するための技術情報を提供します.様々な流れ場への適用事例,データ同化等の技術を含む応用事例など適用可能範囲についての情報を提供します.
本講習会により論理的,直感的な理解を深めることができます.企業・大学等の研究者,技術者,大学院生などのうち,流れの可視化計測をこれから実施しようとされている方,実施現場でお困りの方,これまで以上に活用したい方を対象としています.なお,本講習会は技術士の継続教育に関する可視化情報学会CPDプログラムの第41回目として位置づけられており,講習会受講者全員に修了証が発行されます.
日 時:
2022年6月28(火),30(木),7月5(火),7(木) 14:30-18:00 (14:15接続開始)
場 所:
オンライン開催(WebEx Meeting)(アーカイブ 6日間)
アクセス:
ミーティングID,およびパスワードは開催日近くになりましたら参加登録者にお伝えします.
定 員:100名
参加費(不課税):
可視化情報学会 正会員/賛助会員及び協賛学会正会員 20,000円,可視化情報学会 学生会員および協賛学会学生会員 8,000円,非会員一般30,000円,非会員学生12,000円.
(協賛団体会員・協賛団体賛助会員の方も本会会員料金で受講できます.博士課程(後期)に在籍する方は「正会員」としてお申し込み下さい.可視化情報学会の賛助会員は1口で3名まで参加することが可能です.)
外部サービス『イベントペイ』により受け付けます。キャンセルはできません.万が一ご出席がかなわなくなった場合も規定どおりの参加費が発生致しますので,ご了承ください.その場合,代理の方のご参加が可能となります.
受講申込:
下記申込ページからお申込下さい.
申込ページ
参加申込期限:
2022年6月24日(金)
講習会テキスト:
開催近くになりましたら,参加登録者に電子メールで講義資料のダウンロードサイトを連絡します。
注意:
講義の内容の録画,録音,再配布等は固く禁じます。
修了証:
後日 PDFファイルを電子メールにて送付。
連絡先:
産業技術総合研究所 染矢 聡
E-mail: s.someya@aist.go.jp
主催・協賛
主催:可視化情報学会
協賛(予定):日本機械学会,自動車技術会,日本原子力学会,日本混相流学会,日本伝熱学会,日本液体微粒化学会
プログラム(予定)
6月28日(火)
14:30~15:50 PIV基礎1 (講師:明治大学 榊原 潤)
16:00~17:20 マイクロPIV (講師:東京理科大学 元祐 昌廣)
17:30~18:00 相談コーナー (各講師)
6月30日(木)
14:30~15:50 PIV基礎2 (講師:明治大学 榊原 潤)
16:00~17:20 燃焼場におけるPIV (講師:東京工業大学 志村 祐康)
17:30~18:00 相談コーナー (各講師)
7月5日(火)
14:30~15:50 モード分解とPIVへの応用 (講師:東北大学 野々村 拓)
16:00~17:20 製品開発におけるPIV活用事例 (講師:株式会社日立製作所 本多 武史)
17:30~18:00 相談コーナー (各講師)
7月7日(木)
14:30~15:50大型風洞におけるPIV (講師:宇宙航空研究開発機構 小池 俊輔)
16:00~17:20 PIV発展 (講師:明治大学 榊原 潤)
17:30~18:00 相談コーナー (各講師)
各講義の終了前にQAを設けます。更に、毎日の最後に相談コーナーを設けます。実際に可視化を使っているが上手く行かないとか,こういう計測を行いたいのだがどういうシステムが必要かなど,講習では聞けなかった内容について,自由に相談して頂くことが可能です。
国際研究支援金へのご協力お願いと支援者募集
可視化情報学会 会員各位
総務委員長 伊藤 貴之
【 国際研究支援金の経過報告とご協力のお願い】
多くの発展途上国では、経済的な制約により、研究者が国際的な学会に加入し世界の
研究状況を知り、活発な研究活動をすることが困難な状態にあります。
本学会では、このような状態におかれている外国人研究者を支援し、学会活動の国際化を図るため、
1997年度から「国際研究支援金」制度を設置し、募金協力のお願いをして参りました。
いままで貴重なご支援を頂きました皆様には、ここに改めてお礼申し上げます。そして、
この活動を維持し発展させるため、今年度も引き続き募金をさせて頂きたいと存じます。
<募金方法>
2022年度会費請求の際に同封の「ゆうちょ銀行」払込取扱票(振込用紙)にて
(1口:1000円)「国際研究支援金」の項目に口数をご記入の上、直接お振込ください。
2021年度の国際研究支援金ご賛同者(敬称略)
伊藤 慎一郎、前野 一夫、加藤 泰生、武居 昌宏
【国際研究支援金制度による支援希望者の募集】
今期も引き続き支援希望者を募集いたします。
ご希望の方、または支援を必要とする外国人をご存知の方は、
下記要領によりご応募ください。支援希望申込書に基づき本学会で審査のうえ、
応募者には可否の結果を通知いたします。
記
1.支援の内容
対象は会員の推薦または本人の申請により、本学会が認めた外国人の研究者です(会員資格は不問)。
補助する項目は、以下のとおりです。
(a) 本学会の和文論文集投稿料
(b) 年会費、入会金(含む可視化情報学会誌)
(c) 可視化情報シンポジウムの講演論文集
(d) 可視化情報シンポジウムの参加費
(e) その他、可視化情報学会が適切と認めた項目
2.募集期間
申込受付は随時といたしますが、採用者が年度の定員に達した場合は締切らせて頂きます。
なお本制度の適用は1年とし、 1人につき最大3年までの支援を認めます。
3.申込方法
推薦者または本人により「支援希望申込書」(リンク) に必要事項を記入のうえ(英文可)、
下記の学会事務局までメールにてお申込ください。
E-mail:office @ vsj.jp
2022年 可視化情報学会賞(論文賞,技術賞,奨励賞,映像賞)候補 募集
可視化情報学会では,可視化情報学会賞(論文賞,技術賞,奨励賞,映像賞)の候補募集を3月3日まで延長いたします.
案内
各賞の詳細,応募方法などはこちら.
推薦書書式(Microsoft Word形式)
2021年 行事案内
2021年1月29日(金)
日本伝熱学会 関東支部セミナー「未利用熱の活用に関する最新研究紹介」(協賛)
オンライン開催
2021年3月10日(水)
第1回「富岳」流体予測革新プロジェクトシンポジウム(協賛)
Web 会議、もしくは、東京大学生産技術研究所コンベンションホール+Web 会議
2021年6月24日(木)~25日(金)
2021年春季フルードパワーシステム講演会(協賛)
オンライン開催
2021年7月1日(木)~2日(金)
3次元画像コンファレンス2021(協賛)
オンライン開催
2021年9月24日(金)~26日(日)
ISTP32 (32nd International Symposium on Transport Phenomena)(協賛)
中国天津市(現地開催およびオンライン開催)
2021年10月24日(金)~28日(日)
16th International Conference on Fluid Control, Measurements, and Visualization (FLUCOME 2021)
北京
詳しくはこちら
2021年11月3日(水)~6日(土)
Pan Pacific Hanoi Hotel, Hanoi, Vietnam
2021年11月26日(金)
文部科学省「富岳」成果創出加速プログラム「スーパーシミュレーションとAIを連携活用した実機クリーンエネルギーシステムのデジタルツインの構築と活用」第2回シンポジウム(協賛)
オンライン開催
2021年12月1日(水)~3日(金)
オンライン開催
第40回 可視化フロンティア「流れの可視化講習会2022」
~可視化情報学会CPDプログラム(技術士継続教育)~
概要
脱炭素社会のためには様々なシステムの最適化が重要であり,そのためには熱と流れの正確な評価と制御が不可欠です.本講習会はPIV(粒子画像流速計測法)をはじめとする流れの可視化に関する技術情報を提供することを目的としています.近年CFDなどCAEベースで短時間で効率的に設計することが重要となっています.CFDの高度化・汎用化が進み,設計に適した計算負荷の低い方法も提案されていますが,今もCFDで予測不能な現象は多く解析ツールの検証が不可欠です.適切なモデル化のためにも実現象の計測評価が欠かせません.
例えばこれらのために利用されつつあるPIV/PTV/LIFシステムではトレーサ粒子像や蛍光画像を撮影してソフトを動作させれば,何らかの「もっともらしい」データを得ることができます.正しい結果であると信じたいところですが,実は“もっと正しい”結果を得ることができるかもしれません.また,PIV以外の可視化ツールは市販されておらず使用法・適用法に関する情報が乏しいため,『こんなやり方でいいのか?』という点にすら不安を感じるのではないでしょうか?
本講習会では,広く普及しつつある流れの可視化をよりよく理解し,適切に活用するための技術情報を提供します.適用事例など適用可能範囲についての情報を提供します.本講習会により論理的,直感的な理解を深めることができます.企業・大学等の研究者,技術者,大学院生などのうち,流れの可視化計測をこれから実施しようとされている方,実施現場でお困りの方,これまで以上に活用したい方を対象としています.
本講習会は技術士の継続教育に関する可視化情報学会CPDプログラムの第40回目として位置づけられており,講習会受講者全員に修了証が発行されます.
日 時:
2022年1月12(水),14(金),19(水),21(金)14:30-17:20 (14:15接続開始)
場 所:
オンライン開催(WebEx Meeting)(アーカイブ無し)
アクセス:
ミーティングID,およびパスワードは開催日近くになりましたら参加登録者にお伝えします.
定 員:100名
参加費(不課税):
可視化情報学会 正会員/賛助会員及び協賛学会正会員 20,000円,可視化情報学会 学生会員および協賛学会学生会員 8,000円,非会員一般30,000円,非会員学生12,000円.
(協賛団体会員の方も本会会員料金で受講できます.賛助会員は1口で3名まで参加することが可能です.博士課程(後期)に在籍する方は「正会員」としてお申し込み下さい.)
外部サービス『イベントペイ』により受け付けます。キャンセルはできません.万が一ご出席がかなわなくなった場合も規定どおりの参加費が発生致しますので,ご了承ください.その場合,代理の方のご参加が可能となります.
受講申込:
下記申込ページからお申込下さい.
申込ページ
参加申込期限:
2022年1月6日(木)
講習会テキスト:
開催近くになりましたら,参加登録者に電子メールで講義資料のダウンロードサイトを連絡します。
注意:
講義の内容の録画,録音,再配布等は固く禁じます。
修了証:
後日 PDFファイルを電子メールにて送付。
連絡先:
産業技術総合研究所 染矢 聡
E-mail: s.someya@aist.go.jp
主催・協賛
主催:可視化情報学会
協賛(予定):日本機械学会,自動車技術会,日本原子力学会,日本混相流学会,日本伝熱学会,日本液体微粒化学会,日本風工学会
プログラム(予定)
1月12日(水)
14:30~15:50 PIV基礎1 (講師:明治大学 榊原 潤)
16:00~17:20 LIF基礎1 (講師:産業技術総合研究所 染矢 聡)
17:30~18:00 相談コーナー (各講師)
1月14日(金)
14:30~15:50 IRカメラ基礎(講師:防衛大学校 中村 元)
16:00~17:20 PIV基礎2 (講師:明治大学 榊原 潤)
17:30~18:00 相談コーナー (各講師)
1月19日(水)
14:30~15:50 感温液晶基礎 (講師:山梨大学 舩谷 俊平)
16:00~17:20 LIF基礎2 (講師:産業技術総合研究所 染矢 聡)
17:30~18:00 相談コーナー (各講師)
1月21日(金)
14:30~15:50 感温塗料基礎 (講師:東北大学 永井 大樹)
16:00~17:20 PIV発展 (講師:明治大学 榊原 潤)
17:30~18:00 相談コーナー (各講師)
各講義の終了前にQAを設けます。更に、毎日の最後に相談コーナーを設けます。実際に可視化を使っているが上手く行かないとか,こういう計測を行いたいのだがどういうシステムが必要かなど,講習では聞けなかった内容について,自由に相談して頂くことが可能です。
第33期役員理事名簿
第33期 (令和3年6月1日~令和4年5月31日)役員理事名簿
会長
藤代一成(慶應義塾大学)
副会長
総務
桑原譲二 ((株)フォトロン)
編集
新関良樹(徳島文理大学)
企画
染矢聡(産業技術総合研究所)
理事
総務理事
総務理事 総務委員長:伊藤貴之(お茶の水女子大学)
総務理事 副委員長:元祐昌廣(東京理科大学)
総務(財務)理事 副委員長:丹下学(芝浦工業大学)
総務(財務)理事:宮地英生(東京都市大学)
総務理事:富松 重行((株)電業社機械製作所)
総務理事:菊地謙次(東北大学大学院)
編集理事
編集委員会委員長:松田佑(早稲田大学)
編集理事編集委員会副委員長:山本憲(大阪大学)
編集理事:二宮尚(宇都宮大学)
編集理事:坂本尚久(神戸大学)
企画理事
企画委員長:加藤千恵子(東洋大学)
企画理事:木倉宏成(東京工業大学)
企画理事:川口達也(東京工業大学)
企画理事:平田和也(荏原製作所)
企画理事:坪倉誠(神戸大学)
企画理事:石井英二(日立製作所)
監 事
榊原潤(明治大学)
竹島由里子(東京工科大学)
事務局長
根岸久子(一般社団法人 可視化情報学会)
第32期活動報告
第33期会長 会長就任にあたって
第33期会長 藤代 一成
Inaugural Address by the President for the Thirty-third Term
Issei Fujishiro
2021年8月5日,昨年度に引き続きオンライン開催された可視化情報学会通常総会ならびに臨時理事会におきまして,第33 期の会長に推挙され,就任することと相成りました.
本学会のルーツは,1973年(昭和48年)の第1回流れの可視化シンポジウムを起源とし,1981年(昭和56年)に誕生した「流れの可視化学会」にあります.1977 年(昭和52年)に開催された第1回流れの可視化国際シンポジウムをはじめ精力的な活動を継続し,1990年(平成2年)には「可視化情報学会」へと名称を変更し,社団法人化,さらに2011年(平成23年)には一般社団法人へと移行し,現在へと引き継がれています.
可視化シンポジウムは本年で49 回を重ね,流れの可視化学会から通算42 代,法人化後33 期と,諸先輩方にはそれぞれの想いがおありの歴史ある本学会の会長就任は,ひときわ感慨深く,光栄の至りであるとともに,その重責に身が引き締まります.
流れの可視化は,流れ場の速度・温度など物質移動を非接触で定量的に多次元計測する方法として発展を続け,現在では,機械・航空・宇宙・土木・建築・海洋・気象などの理工学分野のみならず,医学・農学・環境科学といった様々な分野での有力な研究開発手法として利活用されています.また,可視化の対象は物理現象に限らず,人文・社会科学やアートをも含み,「ビッグデータ」と称される膨大な量のデータを取り扱う様々な物象の認識・理解技術として広く知られています.さらに近年では,深層学習を中心とする統計的機械学習を取り込み,人工知能との融合・応用研究も精力的に進められています.
日本学術会議においては,本学会26期会長の小山田耕二先生らによって創設された「科学的知見の創出に資する可視化分科会」を契機に,可視化情報は横断的学術分野としてのプレゼンスが示し続けられています.私もその傘下で「可視化の新パラダイム策定小委員会」を立ち上げ,我が国独自の計算理念を模索している最中です.
会長就任にあたり,本学会の沿革もふまえたうえで,私は「フロー可視化」の価値を会員の皆様に問いたいと考えています.この概念には二重の意味が込められています.一方は時変する森羅万象を取り扱う「流動可視化」技術そのものですが,もう一方は,VR/ARをさらに拡充したXR技術を通じて,利用者に,心理学が示す「フロー」という精神状態(Wikipediaによれば,『完全に浸り,精力的に集中している感覚に特徴づけられ,完全にのめり込んでいて,その過程が活発さにおいて成功しているような活動における精神的な状態』)を創り出し,その没入的環境において真に価値のある科学的知見を得やすくする可視化技術もさしています.既に登場している没入的分析論(immersive analytics)という概念とも相容れるところがあるでしょうか.第5期科学技術基本計画に謳われているSociety5.0を実現する切り札であるCPS (Cyber-Physical System)の具体像にも迫ることができるポテンシャルを有すると考えております.
幾多の変異株を伴うCOVID-19ウイルスが蔓延するなか,2年にも渡り自粛活動を余儀なくされた人類は,その間遠隔による知的作業の術を身につけ始めました.その結果,遠隔でも十分にこなせる作業内容と,やはり実環境でなければ達成が困難な作業内容とを選別できる智慧を修得しつつあるともいえます.来るアフターコロナ時代に向けて,上述のフロー可視化による作業の高度化と効率化というパラダイムシフトを価値付け,社会の諸相へと拡げていく責務が本学会にはあるのではないかと念いを馳せているところです.
和文論文集,Journal of Visualization という和洋二種類の論文誌を刊行するとともに,可視化情報シンポジウム,ビジュアリゼーションワークショップ,講習会,研究会など,学会としての基本的な事業を継続しながら,本学会が創設した国際会議運営を含む国際的学術連携にも引き続き鋭意取り組んでいく所存です.
可視化情報学会が益々その存在価値を示し,魅力を発揮するとともに,持続的な発展を遂げていかれるように,誠心誠意努力してまいりますので,会員の皆々様のなお一層のご支援・ご協力を何卒よろしくお願い申し上げ,就任の挨拶に代えさせていただきます.
(慶應義塾大学理工学部情報工学科 教授
Professor, Department of Information and Computer Science, Faculty of Science and Technology, Keio University)