2007年12月のflash

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  • 動画提供:東京工業大学大学院 理工学研究科 原子核工学専攻 博士後期課程 高橋秀治氏ほか
  • 説明:交流磁場下における走磁性細菌の回転挙動。
    走磁性細菌(粒子径約50nm~100nmの強磁性ナノ微粒子を体内で生成する細菌)が外部印加磁場に応答し回転する様子が観察された。暗視野顕微鏡システム(観察物体からの散乱光のみを結像させる手法。ナノサイズの物体の動的観察が可能。)を用いることで、生の状態での細菌が画像背景に対しハイコントラストに可視化されている。

第18期 表彰

1.第18期 学会賞

  • 論文賞
    1. 表題:マイクロチャネルアレイを用いた毛細血管中の赤血球の挙動と変形能に関する生体外実験
      著者:田地川 勉、大場謙吉、樋口勝啓、榊原千礼
      対象論文:可視化情報学会論文集, Vol.25 No.12 (2005年12月) pp.84-91
      推薦理由:複雑な赤血球の挙動を解明するため、10μm以下のマイクロ流路での可視化観測に関する高度な技術に挑戦し、赤血球の挙動および変形能について新しい知見を得たことを高く評価する。
    2. 表題:Effect of Korteweg Stress in Miscible Liquid Two-Layer Flow in a Microfluidic Device
      著者:Sugii,Y., Okamoto,K.,Hibara,A.,Tokeshi,M and Kitamori,T
      対象論文:Journal of Visualization, Vol.8, No.2(2005-5) pp.117-124
      推薦理由:幅120μm,深さ35μmのY型の微小流路を流れる混和性の2相流の流れの計測が、マイクロPIVによって行われた。水とエタノールの2相流の界面において得られた速度はせん断応力のアンバランスを示した。論文ではこのアンバランスの理由を明らかにしている。この結果はマイクロフルイデック装置において、2相流の流れを混和するような流れ現象に対し新しい知見を得るもので論文賞に値する。
  • 技術賞
    1. 表題:Date Reduction by Applying an Image-Based Modeling and Rendering Technique to CG Models
      著者:Miyachi,H and Sakamoto,N
      対象論文:Journal of Visualization Vol.8,No.4(2005-4) pp.331-338
      推薦理由:可視化結果として得られるCG画像のデータサイズを減少するための画像を基本にしたモデル化及び表現化技術を開発した。この技術は実在の対象物から3次元図式も出るを再構築するのに応用された。カラー情報、幾何学的情報供にサイズを減少することが出来るので、モデルのサイズは効果的に減少出来る。このシステムを使って込み入った情報を約85%減少した実例が示されている。このようにこの論文は実用化できる有用な手法を提供しており、技術賞に値する。
    2. 表題:超音波探傷技術の最前線―レーザ利用の超音波伝搬映像化技術―
      著者:高坪純治、宮内秀和、矢代茂樹、王 波、津田 浩、遠山暢之
      対象論文:可視化情報 Vol.26 No.103 (2006.10) pp.277-282
      推薦理由:超音波探傷技術に関し、その伝搬映像の変化から欠陥を検知する技術に取り組み、金属から炭素繊維複合材にまで利用できる技術を開発した。特に発振側のパルスレオザビームを送査して超音波伝搬を可視化し、複雑な3次元形状への適用を可能とするなど、応用性の高い手法を提案した点を高く評価する。
  • 奨励賞
    1. 細谷和範
      表題:POD法を用いた複雑な流れ場の再構成(PIV計測によって得られた円管群内の流れ場への適用)
      著者:鈴木豊彦、落合義孝
      参考業績:可視化情報学会論文集Vol.26 No.12(2006.12)
      推薦理由:円柱群の複雑な流れ場に関し、PIV実施時の照明光の影に入った部分の計測を実施するなど極めて実用的な工夫を行い、さらにPIVの過誤データの影響を排除し、流れの組織構造の抽出を試みた点を高く評価し、今後のさらなる応用展開を期待する。
  • 映像賞 SGI賞
    1. 表題:Visualization of Capillary Flow in Sessile Drops and Detecting Spreading Stability by Iaser Refracted Shadowgraphy
      著者:N. Zhang and D. F. Chao
      対象論文:Journal of Visualization, Vol.9, No.3(2006), pp.241
      推薦理由:4種類異なる付着液滴内の微小な流れをレーザ・シャドーグラフ法によって可視化している。微妙な流れ場の様子を明確に捉えている点と芸術的な要素を評価した。
    2. 表題:Infrared Based Visualization of Wall Shear Stress Distributions with a High Temporal and Spatial Resolution
      著者:1.Rudolph,M.Reyer, and W. Nitsche
      対象論文:Journal of Visualization , Vol.10, No.1(2007), pp.8
      推薦理由:赤外線を利用して壁面せん断応力の時空間分布を可視化している。高解像度な新しい可視化手法である点を評価した。
    3. 表題:建築音響と環境騒音制御における音場の可視化
      著者:坂本慎一, 佐藤史明, 矢野博夫, 橘 秀樹
      対象論文:可視化情報, Vol.27, No. 104(2007), 口絵5, 本文pp. 19-25
      推薦理由:FDTD法によって、実際の小ホールの音響特性を数値解析し、音響伝播特性の可視化を行っている。吸収、共鳴、振動との連成といった複雑な実音場の境界モデル化および導入に取り組んでいる点を評価した。
    4. 表題:Shaping Converging Shock Waves by Means of Obstacles
      著者:V. Eliasson, N. Apazidis and N. Tillmark
      対象論文:Journal of Visualization, Vol. No.3 (2006), pp.240.
      推薦理由:8本の円柱に囲まれた領域での衝撃波の可視化をシュリーレン法で可視化している。手法自体に目新しいものはないが、選んだ題材が興味深く、その可視化映像の芸術性を評価した。

2.第34回可視化情報シンポウム

  • グッドプレゼンテーション賞
    • 講演題目:組付け音判定技術におけるWaveletの応用
      講演者:赤木桂二(株式会社デンソー)
      推薦理由:第34回可視化情報シンポジウム口頭発表セッションにおいて,セッション座長および聴講者による研究内容の学術的価値,講演発表,講演資料等総合的な審査の結果,上記講演は特に優れていると判断され,ベストプレゼンテーション賞に値すると評価された.
  • グッドプレゼンテーション賞 奨励賞
    • 講演題目:表皮効果の可視化による高周波用導体断面形状の最適化
      講演者:黒田洪平(法政大学大学院)
      推薦理由:第34回可視化情報シンポジウム口頭発表セッションにおいて,セッション座長および聴講者による研究内容の学術的価値,講演発表,講演資料等総合的な審査の結果,上記講演は特に優れていると判断され,ベストプレゼンテーション賞に値すると評価された.

3.全国講演会(神戸2006)

  • グッドプレゼンテーション賞
    1. 講演題目:高速ビデオカメラを用いたMarangoni不安定によるクラウンの崩壊過程の観察
      講演者:竹原 幸生(近畿大学)
      推薦理由:単一液滴が表面張力の違う液体に衝突するときに生じるクラウンの崩壊現象を高速ビデオカメラによって観察結果についての報告がなされた。1秒間に100万枚の画像を撮影可能なビデオカメラを用いたクラウン崩壊の美しい映像が評価された。
  • グッドプレゼンテーション賞 奨励賞
    1. 講演題目:ダイナミックステレオPIVによる水棲生物周りの
      渦構造の可視化
      講演者:田中利昌(九州工業大学)
      推薦理由:ドジョウが遊泳しているときの3次元流れ場をステレオPIVを用いて計測した結果について報告がなされた。実験結果を丹念に解析し、渦構造の立体的な解説を試みた講演内容が評価された。
    2. 講演題目:脳動脈瘤モデル内部に作用する壁面せん断応
      力の測定
      講演者:伊藤康介(横浜国立大学)
      推薦理由:脳動脈瘤シリコンモデル内の可視化とステレオPIVによる計測結果、更に壁面せん断応力の実験的評価に関する報告がなされた。複雑なモデル内の計測結果に対する詳細な検討結果とその表現方法が評価された。

第17期 表彰

1.第17期 学会賞

  • 論文賞
    • 該当無し
  • 技術賞
    • 表題:Visualization of Flow Structure Around a Hypersonic Re-entry Capusule Using the Electrical Discharge Method
      著者:Masatomi Nishio, Shinji Sezaki, Hiroaki Nakamura
      対象論文:Journal of Visualization Vol. No.2(2004),pp.151-158
      推薦理由:マッハ数10の極超音波のカプセル周りの流れ場において、放電法の新しい技術を利用して、カプセル先端の衝撃波とそれに続く流れを可視化するとともに、その周りの流れを明らかにしている。
  • 奨励賞
    • 木下晴之(東京大学)
      表題:高速共焦点スキャナを用いたマイクロPIVシステムの開発とその応用
      参考業績:可視化情報 Vol.25 Suppl. No.2(2005年10月), pp.313-316
      推薦理由:マイクロ流体デバイスの開発と応用が期待されているが、小さな流路内での流場の計測は多くの課題があるところ、本研究は共焦点顕微鏡をヒントに、これをPIVに応用するという独創的で、即効性のある解決方法を提案している。
  • 映像賞 SGI賞
    1. 表題:Vortex Entrainment and Separation Using Flow Superposition
      著者:Swanson, L. A., Davis, J. M. and Disimile, P. J.,.
      対象論文:Journal of Visualization, Vol.9, No.1(2006), p.5
      推薦理由:せん断流中の様々な渦の生成合体の様子を鮮明な可視化写真として捉えている。
    2. 表題:40眼カメラとCT法による瞬間三次元分布計測手法 ―乱流予混合火炎の輝度分布の計測―
      著者:石野洋二郎、稲川治、大岩紀生
      対象論文:可視化情報学会論文集、Vol.25, No.6 (2005), pp.21-26

2.全国講演会(新潟2005)

  • グッドプレゼンテーション賞
    1. 講演題目:水素スタンド防護壁を対象とした爆発実験と数値計算
      野津 剛(清水建設(株)
    2. 講演題目:柔らかなフィンをもつ円管から流出する噴流の知的可視化
      中島正弘(鹿児島高専)
  • グッドプレゼンテーション賞 奨励賞
    1. 講演題目:異なる二種類の光学像を用いた噴霧液滴の径および速度の同時計測法
      上杉知弘(埼玉大学大学院)
    2. 講演題目:内部音響加振による翼周りのはく離制御機構に関する研究
      橋本隆彦(新潟大学大学院)

3.第11回ビジュアリゼーションカンファレンス

  • グッドプレゼンテーション賞
    • 講演題目:DT-MRIデータセットを用いた神経線維路の可視化―開始点の設定方法
      酒井晃二(京都大学)

ウェーブレットと知的可視化の応用研究会(WSV)

  • 座長: 李鹿輝(山形大学)
  • 目的: ウェーブレットの学問と応用研究は急速に進展し、可視化の世界では極めて活発な分野となっています。これに伴って、画像情報の中から物理現象の本質を抽出する知的可視化情報処理技術は、可視化情報学の新しい学術分野と期待されております。このことから、次世代に向けて新しい学術・技術の創造に貢献するため、WSV応用研究会が発足しました。
  • 連絡先(座長):

2007年8月のFlash

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  • 動画提供: プロメテック・ソフトウェア株式会社
  • 説明: 地下鉄駅構内の浸水解析。
    近年の集中豪雨による都市型浸水を想定した、地下鉄入り口の階段に雨水が流れ込むシミュレーションを行いました。支柱にぶつかったときの水しぶきや表面のうねりなど流体ならではの挙動を確認できます。この解析では、30m×30m四方の領域をモデル化し、流体粒子を25万個、壁粒子を100万個使用しております。

2007年7月のFlash

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  • 提供: プロメテック・ソフトウェア株式会社
  • 説明: 原子力施設の津波解析。
    高さ10mの波が原子力施設を襲うと想定した津波解析を実施しました。津波は防波堤を乗り越え、原子力施設が浸水する様子をご覧いただけます。この解析で得られた結果からサーフェスポリゴンを構築することで、汎用レンダリングソフトでのよりリアルな可視化を実現しております。

2007年6月のFlash(その2)

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  • 動画提供: 海洋研究開発機構 地球シミュレータセンター 高度計算表現法研究グループ
  • シミュレーションデータ提供: 海洋研究開発機構 固体地球統合フロンティア研究システム 地球内部変動研究センター
  • 提供: 海洋研究開発機構 地球内部変動研究センター
  • 説明: 火山噴煙シミュレーションの結果の可視化。
    火口から大気中に噴出した物質の質量分量を、ボリュームレンダリングを用いて
    表現した。濃度値に基づく色調および濃淡の調整により、実際の噴煙のような表
    現だけでなく、実際の噴火では観測不可能な噴煙の内部構造についても観察を可
    能とした。

2007年6月のFlash

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  • 動画提供: 海洋研究開発機構 地球シミュレータセンター 高度計算表現法研究グループ
  • シミュレーションデータ提供: 海洋研究開発機構 地球環境フロンティア研究センター 海洋生態系モデル研究グループ、海洋研究開発機構 地球シミュレータセンター 大気・海洋シミュレーション研究グループ
  • 説明: 日本近海における植物プランクトンの濃度分布。3月初めに、黒潮続流南方でブルームが始まり、4月初めになると親潮域でもブルームが始まる様子が観察できる。季節進行とともにその発生域が北部へと移動することがわかる。

2007年5月のFlash(その2)

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  • 動画提供: 海洋研究開発機構 地球シミュレータセンター 高度計算表現法研究グループ
  • シミュレーションデータ提供: 海洋研究開発機構 地球シミュレータセンター 複雑性シミュレーション研究グループ
  • 説明: ハリケーン・カトリーナのシミュレーション結果の可視化。
    海洋研究開発機構、地球シミュレータセンターの高度計算表現法研究グループでは、球ジオメトリデータ用の並列可視化ソフトウェアを開発している。
    このソフトウェアを使用すれば、大気・海洋等の球ジオメトリのデータを(矩形状ではなく)球状に、実際に地球上に分布しているように、表現することができる。この動画は、そのソフトウェアを使用してハリケーン・カトリーナの雲水量をボリューム・レンダリングにより可視化したものである。地平線が丸くなっているのがご覧いただけると思う。

2007年5月のFlash(その1)

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  • 提供: 海洋研究開発機構 地球シミュレータセンター 高度計算表現法研究グループ
  • 説明: 海洋研究開発機構、地球シミュレータセンターの高度計算表現法研究グループでは、CAVE型のバーチャル・リアリティ(VR)装置用を使ってシミュレーションデータを可視化するソフトウェア「VFIVE」を開発している。この動画は、地球内部コアの流れ場をVFIVEを使って立体的かつ対話的に解析している様子である。
     水色と黄色からなる立体矢印の群れはその領域の流れベクトルの場を表わす。
     矢印群は手に持ったコントローラの動きに追随する。各矢印が示す流れベクトルの値は移動中もリアルタイムでデータから自動的に補間されるので、手を動かしながら好きな領域を直感的かつ詳細に解析することができる。また、仮想ビームの先端からトレーサー粒子を放出させることもできる。ボタンを押すたびに新しい粒子が次々と放出されている様子がこの動画の後半で示されている。
     VFIVEにはこの他、等値面やボリュームレンダリング、LIC法など、基本的な可視化機能の多くが実装されている。なお、CAVE空間では全ての映像がステレオで見えるが、ビデオカメラで撮影したこの動画では実際の立体感と没入感を十分に伝えることができないのは残念である。

5月8日付朝日新聞一面に研究の紹介記事が掲載されました。
同内容の記事が asahi.com にも掲載されています。
【asahi.com サイエンス「地球内部の動きが『見える』『可視化』の技術を開発」(5/8)】