みえる化研究会 開催記録

    第1回
    日時:2008年1月23日(水)
    場所:(株)東芝 研究開発センター
    講演:高機能パワーユニットのシックスシグマ設計 東芝 横野泰之
    見学:東芝科学館
    世話人:東芝 横野

    第2回
    日時:2008年4月11日(金)
    場所:(株)ケー・ジー・ティー 新宿本社
    講演:プロジェクトの見える化、EVMを用いた進捗管理について
       筑波大学 木野泰伸
       組織横断的重要課題に対する責任明確化と組織体制構築手法
       日本IBM 除村健俊
    見学:KGTの製品群,VRシステム体験デモ
    世話人:KGT 宮地

    第3回
    日時:2008年7月29日(火)
    場所:トヨタ自動車(株)田原工場
    講演:プレス成形の可視化技術 トヨタ自動車
       セキュリティ情報の可視化 電気通信大学 小池英樹
    見学:トヨタ自動車田原工場 レクサス工場見学(組立・エンジン)
    世話人:トヨタ自動車 中村

    第4回
    日時:2008年12月19日(金)
    場所:大阪ガス ガスビル
    講演:ソフトウエア開発のみえる化 オージス総研執行役員 宗平順己
       教育情報のみえる化 名古屋大学 梶田将司
    見学:未来住宅NEXT21,中央指令センター
    世話人:京都大学 小山田,大阪ガス 河本

みえる化研究会

  • 主査: 横野泰之(東京大学)
  • 目的: 「見える化」という言葉がよく用いられるようになっており,問題を「見える」ように工夫し,問題を理解してその解決を図るものを意味している. 日本では世界に先駆け,「見える化」の効能をモノづくりの現場に活用してきた.最近では,この「見える化」は生産現場だけでなく,設計などの製品開発や経営,教育の「見える化」など,様々な領域で実践されている.この「見える化」はまさに情報の可視化であり,可視化情報学会としては注力していくべき分野の一つとなっている.
    本研究会では,「見える化」に関する企業での現状や課題,大学での先進事例や技術,ベンダーでのソフト情報などを共有することを目的とする.まずは,お互いを紹介して,その後,一緒に活動できるアイテムの導出や講演会のセッション,特集記事などにつながることを期待している.

2009年5月のflash

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  • 動画提供:東北大学 流体科学研究所 石本淳 准教授
  • 説明:マイクロキャビテーションを伴うガソリンインジェクター乱流噴霧微粒化プロセスに関する融合可視化シミュレーション.
    マイクロキャビティ形成と微粒化液滴形成に至るまで,一連のマイクロキャビテーションを伴うガソリンインジェクター内噴霧微粒化混相乱流に関し,Barotropic modelに基づく圧縮性二相噴霧乱流の基礎方程式系を新たに構成し,LES-VOF数値解法を用いた高解像度コンピューテーションと噴霧計測結果取り込みからなる最新の一体型超並列融合シミュレーション技法を用いたCFD解析を行った.

2009年4月のflash

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  • 動画提供:京都大学 高等教育研究開発推進センター 情報メディア教育部門 小山田耕二教授,博士課程 河村拓馬氏
  • 説明:原子炉のポンプに対する、弾性静解析の結果のボリュームデータを、ボリューム
    レンダリングにより可視化しました。
    このデータはPCクラスタで計算され、約2千6百万もの4面体2次要素から構成されています。(データ提供:東京大学、奥田洋司先生)
    大規模で高次の要素からなるデータを可視化するために、汎用可視化ライブラリKVSにより実装した、粒子ベースボリュームレンダリング法という手法を用いました。
    この手法によって、大規模で複雑なボリュームデータをリアルタイムに可視化することができました。

2009年1月のflash

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  • 動画提供:東京工業大学・学術国際情報センター 青木尊之教授
  • 説明:気泡を含んだ流れのCIP法による数値シミュレーション
    気泡を含んだ流れに対し、CIP法を用いて数値流体シミュレーションを行いました。日本原子力研究開発機構との共同研究として行われたものです。気体と液体はレベルセット法により識別されていて、気液界面には表面張力、壁では接触角が考慮されています。POV-Ray によるレイトレーシング法で可視化しているため、レンダリング時間はかかりましたがリアルな画像を得ることができました。

第20期 表彰

第20期 学会賞

論文賞

表  題: Pressure-Sensitive Paint Measurement of the Flow around a Simplified Car Model
著  者: Yamashita, T., Sugiura, H., Nagai, H., Asai, K. and Ishida, K.
対象論文: Journal of Visualization, Vol.10, No.3(July 2007), pp.289-298

技術賞

表  題: Visualization of Aerodynamic Noise Source around a Rotating Fan Blade
著  者: Nashimoto, A., Fujisawa, N., Nakano, T. and Yoda, T.
対象論文: Journal of Visualization, Vol.11, No.4(October 2008), pp.365-373

奨励賞

候補者: 大石 正道(東京大学 生産技術研究所)
表  題: 多波長共焦点マイクロPIVによるマイクロ液滴生成機構の定量的計測
対象論文: (1) “Simultaneous Measurement on Liquid-Liquid Two-Phase Microflow using Multicolor Confocal Micro PIV”, 2007 PSFVIP-6, Hawaii.
(2) “Measurement of Rotational Motion of Solid Microbead using Multicolor Confocal Micro PIV”,2007 PIV07, Rome.
(3)“Investigation of Interaction Between the Flow Inside and Outside of Micro Droplet by Simultaneous Measurement Using Multicolor Confocal Micro-PIV”,2008 ISFV-13, Nice.

第20期 映像賞

フラッシュ オブ ザ イヤー

表  題: 気泡を含んだ流れのCIP法による数値シミュレーション
動画提供: 東京工業大学 学術国際情報センター 青木 尊之
対象画像: 2009年1月のFlash

表  題: マイクロキャビテーションを伴うガソリンインジェクター乱流噴霧微粒化プロセスに関する融合可視化シミュレーション
動画提供: 東北大学 流体科学研究所 石本 淳
対象画像: 2009年5月のFlash

表  題: Visualization of Swirling Flow in Champagne Glasses
著  者: Polidori, G.(1) , Beaumont, F.(1) , Jeandet, P.(2) , and Liger-Belair, G.(2)
著者所属: (1)Laboratoire de Thermomecanique, UFR Sciences, Reims, France.
(2)Laboratoire d’ Enologie et Chimie Appliquee, UFR Sciences, Reims, France.
対象画像: Journal of Visualizayion, Portfolio Paper, Vol.11, No.3(2008), 184

第36回可視化情報シンポウム

グッドプレゼンテーション賞

  1. 講演題目:羽ばたき飛翔する蝶の翅の運動解析
    講演者:渕脇正樹(九州工業大学)

グッドプレゼンテーション賞 奨励賞

  1. 講演題目:スカルプチャーアート制作のためのアナグリフステレオ可視化技術の開発
    講演者:松浦史法(新潟大学)

全国講演会(釧路2008)

グッドプレゼンテーション賞

  1. 講演題目:宇宙用小型ハイパースペクトルセンサの試作
    講演者:青柳賢英(北海道工業大学大学院)
  2. 講演題目:自己組織化マップ機能を持つ人工ニューラルネットワークによる原子炉安定性診断
    講演者:奥村基史(北海道大学)
  3. 講演題目:対象物次元数ディジタルがホログラフィ計測に及ぼす影響のFDTD解析
    講演者:中岡象平(京都工芸繊維大学大学院)

第20期 表彰

第20期 学会賞

論文賞

表  題: Pressure-Sensitive Paint Measurement of the Flow around a Simplified Car Model
著  者: Yamashita, T., Sugiura, H., Nagai, H., Asai, K. and Ishida, K.
対象論文: Journal of Visualization, Vol.10, No.3(July 2007), pp.289-298
推薦理由: Temperature-Sensitive Paint(TSP)により測定された温度分布の変化が, Pressure-Sensitive Paint (PSP) を使用した圧力測定の精度にどのように影響するかについて調査した論文である. 温度分布の変化による測定誤差は, 測定より求めた温度補正係数を用いることで減少することができる. この圧力測定手法を用いてモデル周りの複雑な圧力分布を精度よく可視化することに成功した. この研究成果は産業界での利用価値も高く, 優秀な論文であると考え推薦する.

技術賞

表  題: Visualization of Aerodynamic Noise Source around a Rotating Fan Blade
著  者: Nashimoto, A., Fujisawa, N., Nakano, T. and Yoda, T.
対象論文: Journal of Visualization, Vol.11, No.4(October 2008), pp.365-373
推薦理由: この研究の目的は羽根周りの騒音信号ならびに速度場の測定によって, 回転する羽根の周りの流体騒音分布を明らかにすることである. 騒音の測定は配列したマイクロホンで測定し, 流れ場はPIV測定により可視化している. 騒音源の分布は騒音信号と速度信号との相関解析によって調査している. 本研究により2つの要素が相互に関係する領域において騒音が大きくなっていることがわかった. この結果は回転羽根の騒音低減に有効であり, 広く産業界に貢献するものと考え, 技術賞に相応しいとして推薦する.

奨励賞

候補者: 大石 正道(東京大学 生産技術研究所)
表  題: 多波長共焦点マイクロPIVによるマイクロ液滴生成機構の定量的計測
対象論文: (1) “Simultaneous Measurement on Liquid-Liquid Two-Phase Microflow using Multicolor Confocal Micro PIV”, 2007 PSFVIP-6, Hawaii.
(2) “Measurement of Rotational Motion of Solid Microbead using Multicolor Confocal Micro PIV”,2007 PIV07, Rome.
(3)“Investigation of Interaction Between the Flow Inside and Outside of Micro Droplet by Simultaneous Measurement Using Multicolor Confocal Micro-PIV”,2008 ISFV-13, Nice.
推薦理由: 大石氏は, マイクロ流動の可視化計測手法である共焦点マイクロPIV技術の研究に従事し, システムの高精度化, 高機能化に尽力した. 特に Micro-TAS アプリケーションへの応用をにらんだ, マイクロ混相流の各相同時計測手法の開発を進めており, 多波長励起, 蛍光分離ユニットの開発や, 油相に均一に分布する蛍光粒子の調製など, マイクロ固液混相流, 液液混相流の可視化計測を可能にした. 本手法は, 界面におけるせん断力の算出や, 粒子状物質の輸送・流動現象, 液液内三次元渦によるミキシング効果の検証などに定量的な知見を与える強力なツールとして期待でき, 国内外での評価も高い. また, 同氏は本学会において第16期から第21期に学会誌編集委員を務めると共に, 第18, 19期に編集委員会幹事を務め, 学会にも貢献している.

第20期 映像賞

フラッシュ オブ ザ イヤー

表  題: 気泡を含んだ流れのCIP法による数値シミュレーション
動画提供: 東京工業大学 学術国際情報センター 青木 尊之
対象画像: 2009年1月のFlash
推薦理由: 気泡を含んだ流れをCIP法により数値解析を行っている. 気体と液体とをレベルセット法により識別し, 気液界面には表面張力, 壁には接触角を考慮している. POV-Rayによるレイトレーシング法で可視化を行い, 非常にリアルで迫力のある画像を再現することに成功しており, 映像賞にふさわしいと判断する.

表  題: マイクロキャビテーションを伴うガソリンインジェクター乱流噴霧微粒化プロセスに関する融合可視化シミュレーション
動画提供: 東北大学 流体科学研究所 石本 淳
対象画像: 2009年5月のFlash
推薦理由: マイクロキャビテーションを伴うガソリンインジェクター内噴霧微粒化プロセスに関して, バロトロピックモデルに基づく圧縮性二相噴霧乱流の基礎方程式系を構成し, LES-VOF数値解析法を用いた高解像度計算と, 噴霧計測結果取り込みからなる最新の一体型超並列融合シミュレーション技法を用いた可視化結果は高く評価でき, 映像賞にふさわしいと判断する.

表  題: Visualization of Swirling Flow in Champagne Glasses
著  者: Polidori, G.(1) , Beaumont, F.(1) , Jeandet, P.(2) , and Liger-Belair, G.(2)
著者所属: (1)Laboratoire de Thermomecanique, UFR Sciences, Reims, France.
(2)Laboratoire d’ Enologie et Chimie Appliquee, UFR Sciences, Reims, France.
対象画像: Journal of Visualizayion, Portfolio Paper, Vol.11, No.3(2008), 184
推薦理由: Champagne グラスの中に形成される流体運動を可視化するために, 蛍光塗料や固体Rilsanトレーサーを用いたレーザートモグラフィー法を用いている. グラス内に形成される瞬時速度場や渦構造, コヒーレント構造や表面での不安定を見事に捉えて可視化している. これらの鮮やかな映像は映像賞に値すると判断する.

第36回可視化情報シンポウム

グッドプレゼンテーション賞

  1. 講演題目:羽ばたき飛翔する蝶の翅の運動解析
    講演者:渕脇正樹(九州工業大学)

グッドプレゼンテーション賞 奨励賞

  1. 講演題目:スカルプチャーアート制作のためのアナグリフステレオ可視化技術の開発
    講演者:松浦史法(新潟大学)

全国講演会(釧路2008)

グッドプレゼンテーション賞

  1. 講演題目:宇宙用小型ハイパースペクトルセンサの試作
    講演者:青柳賢英(北海道工業大学大学院)
  2. 講演題目:自己組織化マップ機能を持つ人工ニューラルネットワークによる原子炉安定性診断
    講演者:奥村基史(北海道大学)
  3. 講演題目:対象物次元数ディジタルがホログラフィ計測に及ぼす影響のFDTD解析
    講演者:中岡象平(京都工芸繊維大学大学院)

2008年4月のflash

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  • 動画提供:東京慈恵会医科大学,早稲田大学,株式会社ケイ・ジー・ティー
  • 説明:脳動脈瘤の血流の流体解析結果の可視化です。東京慈恵会医科大学病院で、血管撮影装置を使って撮影された頭部のDICOMデータ(スライス画像) が元になっています。 早稲田大学では、医用画像3D処理ソフト「INTAGE Volume Editor」を用いて、このデータを3次元化し、 脳動脈瘤周辺の血管を抽出した上で、3次元の血管のサーフェスを生成し、それをSTLとして出力しました。そのSTLデータから、プリプロセッサー「ICEM」を用いて流体解析用のメッシュを生成し、流体ソルバー「ANSYS CFX」 を用いて血流を解析しました。可視化は、東京慈恵会医科大学とケイ・ジー・ティーが EnSightを使って共同で行いました。

可視化情報学会誌(流れの可視化を含む)の著作権の帰属について(公告)

2008年2月4日
可視化情報学会誌(流れの可視化を含む)の著作権の帰属について(公告)

現在、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が学会機関誌の電子アーカイブ事業を進めており、著作権に関する整備上、各学会の機関誌に掲載された論文著者に対し、著作権の学会委譲、論文の電子化(複製)公開許諾、という2点を筆頭著者・共著者に対し確認してとりまとめるよう依頼がございました。

現在では、可視化情報学会誌(流れの可視化を含む)に登載された論文および記事の著作権が当会に帰属することが投稿規程に明示されていますが、一部を除き、1995年4月号以前に発行されたものは、この明示がなされていませんでした。そこで、当該著作物の著作権者の方々に以下1~3項目についてご了承を得たいと考えております。

 1.(社)可視化情報学会は、学術目的のため、該当する論文・記事の全部または一部を複製する権利、および公衆送信する権利を有する。
 2.(社)可視化情報学会は、学術目的のため、第三者に上記1と同様の権利を行使させる権利を有する。
 3.上記1,2の行為により収入がある場合は、この収入を本会の運営費用に充てる。

該当する期間の掲載論文の著者、または相続権を持つ遺族の方の中で、この処置にご不審をお持ちになる方がいらっしゃる場合は、2008年5月末日までに下記にお申し出ください。また、期限後にあっても、お申し出があれば、詳しくご説明する所存です。なお、お申し出のない場合は、ご了承を頂けたものとして作業を進めさせて頂きたく思いますので、ご理解の程をお願い致します。

連絡先: 〒114-0034 東京都北区上十条3-29-20
社団法人 可視化情報学会
TEL:03-5993-5020 FAX:03-5993-5026
E-mail:info@vsj.or.jp

2008年1月のflash

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  • 動画提供:米国CEI社(協力:株式会社ケイ・ジー・ティー)
  • 説明:自動車の衝突時の乗員の動きに関する数値解析結果のアニメーションと、実験のビデオを同期を取って並べて表示したもの。数値解析結果と実験結果の比較が容易になる。汎用ポストプロセッサーEnSightを使用。