第26期 表彰

第26期学会賞

論文賞

(1)

表  題: 円盤翼の急激迎角変化時の過渡的な渦構造
著  者: 長谷川裕晃(秋田大学),島川達也(筑波大学・院),松内一雄(筑波大学),中川健一(秋田大学)
対象論文: 可視化情報学会論文集,Vol.34, No.6, pp.9-16 (2014).
受賞理由: 本論文は,迎角が急激に変化する円盤翼に働く流体力とその周りの流れ場を調べたものである.2次元と3次元のPIVを駆使し,円盤翼周りの非定常な渦構造が詳細かつ精度良く可視化されている.渦構造の変化と流体力の変化の相互関連が議論されており,通常の翼の非定常効果と三次元効果に関する基礎研究として高く評価できる.また,流体力の制御法開発や,鳥・昆虫など生体の飛行システム解明など幅広い研究分野に有益な知見を与えるものである.

(2)

表  題: Mass transfer caused by gravitational instability at reactive solid-liquid interfaces
著  者: Ryoko Otomo(関西大学), Nobuhiko Ishii(北海道大学・院), Keita Takahashi(北海道大学・院), Shusaku Harada(北海道大学)
対象論文: Journal of Visualization, Vol.17, Issue 1, pp.49-57 (2014).
受賞理由: 本論文の著者らは,硫酸銅水溶液中におかれたステンレス製球形粒子群流動層と銅製電極に電圧を印加し,銅製電極から硫酸銅水溶液へ移動する銅イオンの濃度を赤外線吸収法によって可視化した.電極は粒子群上方に置かれており,密度の大きな銅イオンが粒子群に降下堆積した.銅イオンの輸送量は粒子の幾何学的配置に依存すること,密度差に伴う不安定性に起因した対流が輸送特性を支配することが明らかとなった.本論文により得られた知見は,様々な物質の輸送過程を時空間的に捉える手法を確立すると共に,流動層における対流現象の解明に寄与する.

技術賞

(1)

表  題: MusiCube: 特徴量空間における対話型進化計算を用いた楽曲提示インタフェース
著  者: 斉藤優理(お茶の水女子大学・院), 伊藤貴之(お茶の水女子大学)
対象論文: 可視化情報学会論文集, Vol.34, No.9, pp.17-27 (2014).
受賞理由: 本論文では,様々なジャンル・アーティストの楽曲の中から,楽曲の特徴に関するリスナーの嗜好に合わせて選曲する楽曲提示インタフェース「MusiCube」を構築し,その有用性を検証している.タイトルやアーティスト情報などのメタデータを用いた従来の提示インタフェースと異なり,多次元楽曲特徴量をもとに対話型進化計算によってリスナーの嗜好を学習することで,リスナーの感性に合った楽曲の提示を実現するもので,感性データを可視化する新しい技術として今後の発展が大いに期待できる.

(2)

表  題: Story visualization of novels with multi-theme keyword density analysis
著  者: Miyuki Yamada(日本大学・明星大学), Yuichi Murai(北海道大学), Ichiro Kumagai(明星大学)
対象論文: Journal of Visualization, Vol.16, Issue 3, pp 247-257 (2013).
受賞理由: 本論文では,文学作品の数値化解析による可視化法として提案されたキーワード濃度分布の視覚像表現を異なるカテゴリーの戯曲と小説に適用して,一つのテーマに対する物語の展開パターンが作品によってどのように異なるかを視覚像として示している.さらに,複数のテーマが複雑に関連して描写される小説において,それらのテーマの相互関連やそれが物語の進行とともにどのように展開していくかを3次元的に視覚化する手法を示している.これらの結果は,今後文学作品を多様な観点から解析し,新たな発見につなげていく研究に資するものと期待される.

奨励賞

(1)

受賞者:  菊地謙次(東北大学)
表  題: Near wall flow visualization by inclined-observation using confocal micro PIV method
対象業績: The 12th International Symposium on Fluid Control, Measurement and Visualization (FLUCOME2013), OS10-02-3 (2013).
受賞理由: 候補者は,マイクロ流れや生体内流れに関する研究分野において可視化技術を駆使した実験的研究で多くの業績を挙げた.特に,本論文は,共焦点顕微鏡を用いたマイクロPIV法による壁面近傍速度場計測において,その測定面を傾斜させることで速度分布の疑似三次元的な測定の可能性を見いだしたものであり,その簡便性と有用性に鑑みて技術的に高く評価できる.こうした氏の取り組みを通して,今後の研究活動が大いに期待できる.

(2)

受賞者:  松岡大祐(海洋研究開発機構)
表  題: 多次元伝達関数の地球流体シミュレーションの可視化への応用
対象業績: 可視化情報, Vol.33, Suppl.II, 可視情報全国講演会(会津2013)講演論文集, pp. 275-276 (2013).
受賞理由: 候補者の一連の研究では,シミュレーション結果の情報可視化において,多次元的な伝達関数(カラーマップ)や多変量解析等の手法を応用することで,研究者の気づきを促し,多変量データの新たな解釈を導き出す手法の開発に成功している.その成果は,地球科学と可視化情報の両分野の垣根を超え,新しい分野が切り開かれる段階に到達しようとしている.今後も,活発な研究活動によって,可視化情報における長期的な貢献および優れた業績が期待できる.

映像賞

(1)

受賞者:  佐藤慧拓(東洋大学 理工学部), 菊地謙次(東北大学), 望月 修(東洋大学)
表  題: 葉脈流れの可視化
対象作品: 2013年4月 学会HP フラッシュ (2013).
受賞理由: 本映像は,蛍光色素を植物ナンテンの葉に吸わせ,その高解像度蛍光マクロ像を微速度撮影することで,複雑に枝分かれした葉脈内の流れの可視化を行ったものである.吸われた水が葉の中央脈から分岐した側葉脈へ徐々に浸潤していく,植物内部の水の流れが鮮やかに可視化された,これまでにない可視化映像である.葉先端方向の吸水速度に関する学術的な知見を与えただけでなく,可視化技術の素晴らしさを広く一般に知らしめることのできる,美しい映像である.

第42回可視化情報シンポジウム ベストプレゼンテーション賞

  1. 講演題目:Visualization of Scallop Larva Distribution in Funka Bay
    講演者:趙 コン (京大院)
  2. 講演題目:「スプレー塗装型非定常PSPの遷音速風試への適用と評価」
    講演者:杉岡 洋介 (東北大)
  3. 講演題目:「インデューサに発生するキャビテーションの高速度ビデオによる可視化」
    講演者:角田 篤洋 (東工大)
  4. 講演題目:「2色シート光とフレーク状粒子による円管内乱流パフの渦構造可視化」
    講演者:大久保 順平 (北大院)

第42回可視化情報シンポジウム アート賞

  • 大賞
      タイトル:粒子ベースレンダリングを用いた松が峰教会の半透明レンダリング
      作者:王 セイ, 長谷川 恭子, 岡本 篤志, 田中 覚 (立命館大)
  • 金賞
      タイトル:三次元プリンターを用いた航空機周り流れ場の数値シミュレーション
    結果の立体可視化模型
      作者:石向 桂一, 松尾 裕一, 藤野 敦志, 酒井 憲悟, 藤田 直行 (JAXA)
  • 銀賞
      タイトル:笑顔のシンフォニー
      作者:茨城 和花 (東洋大)

第27期会長 会長就任にあたって

第27期会長 渡邉 好夫

yoshiowatanabe

Inaugural Address by the President for the Twenty-seventh Term

Yoshio WATANABE

2015年7月21日に開催された可視化情報学会第27期定例総会におきまして、第27期の会長に推挙され、就任することとなりました。昭和56年(1981年)に「流れの可視化学会」としてスタートした本学会は、平成2年には「可視化情報学会」として、さらに広く「可視化情報に関する研究の進展と知識の普及のため」の法人としての歩みを進めてきております。発足以来34年の歴史を有する本学会の会長への就任をたいへん光栄に思うとともに、その重責に身の引き締まる思いです。皆様のご指導、ご支援をなにとぞよろしくお願いいたします。

ご承知のように、すでに「可視化」という言葉も広く社会に流布し、対象を的確に把握する技術・手法として認識されております。小山田耕二前会長は、この「可視化」への社会的な期待に応えるべく、本学会の領域拡大に尽力されてこられましたが、今期もそれを継承し、さらに発展させていきたいと考えております。

現在の社会や企業の活動はますます高度で複雑なものとなっており、現象の把握、メカニズムの解明に、また、情報の共有化に「可視化」は不可欠なものとなってきています。実際、私の所属する事務機器業界においても、トナー・インクの流れや紙の搬送挙動の可視化は、一般的なものとなりつつあります。さらには、製品の設計・開発やサプライチェーンのような多数の人と物が関わるプロセスや状態の可視化も進められております。

また、ビッグデータ時代と呼ばれるようにITやセンシング技術の飛躍的な向上により、従来は、基礎的なデータが入手困難だったために放棄されてきたことも、その可能性が見えてきました。たとえば、「人・物の流れの可視化」により、消費者の購買行動の把握や、災害時の人命救助や復興推進に活用されつつあります。

本学会も、この社会的な要請にいっそう積極的に取り組んでいかねばなりません。このため、各分野の要素となる可視化技術を深めるとともに、今後は分野をまたがる「可視化情報学」の共通的・基礎的側面についても検討していきたいと考えています。

これらを実現する基礎は、会員の皆様の研究開発や展開活動にかかっております。先端的な学術研究の進展、産業界との情報共有と可視化技術の展開、社会のへの普及と啓蒙にいっそう努めてまいります。

編集関係では、昨年度は和文論文集の投稿プロセスの改善により、大きく投稿数を伸ばすことができました。今期は、この流れを定着させるとともに、英文論文集Journal of Visualizationや学会誌もそのプレゼンスを高める施策を検討したいと考えております。

企画関係では、シンポジウム、研究会等の永続的な成功の基礎として、研究会の充実に取り組みたいと思います。また、先端的可視化技術の成果の普及・展開のため、従来の講習会に加えて、さらに新設の可能性も探って行きたいと考えております。

学会会員数は、学会発展の基礎であることは言うまでもありませんが、これまでの努力にも関わらず、残念ながら漸減傾向を脱却できておりません。今期は、さまざまな会員の増加策を模索してまいります。特に、産業界の会員の増強に注力してまいります。

おわりに、本学会発展のために献身的にご尽力頂いている役員や各委員会メンバーの皆様方に厚くお礼申し上げます。

可視化情報シンポジウム2015

第43回可視化情報シンポジウム概要

本シンポジウムは種々の分野における可視化情報に関する研究交流を活発に行うことにより,可視化情報の利用技術を広範囲に発展させることを目的としています.可視化手法の開発・改良はもちろんのこと,画像処理などの関連する技術や,新しい分野への応用例についての発表も歓迎します.可視化情報に関心をお持ちの方は奮ってご参加ください.

*最新情報は本ページに更新されますので随時ご確認頂けますようお願い致します.


日 時 平成27年7月21日(火)~22日(水)
会 場 工学院大学新宿キャンパス
〒163-8677 東京都新宿区西新宿1-24-2
都営大江戸線都庁前駅直結,各社線新宿駅下車歩8分
主 催 一般社団法人 可視化情報学会
協賛学会
(依頼中含む)
応用物理学会, 海洋音響学会, 海洋調査技術学会, 化学工学会, 計測自動制御学会, 資源・素材学会, 自動車技術会, 情報処理学会, ターボ機械協会, 土木学会, 日本医用画像工学会, 日本エアロゾル学会, 日本音響学会, 日本ガスタービン学会, 日本海洋学会, 日本機械学会, 日本気象学会, 日本計算工学会, 日本建築学会, 日本航空宇宙学会, 日本混相流学会, 日本雪氷学会, 日本船舶海洋工学会, 日本地球化学会, 日本知能情報ファジィ学会, 日本天文学会, 日本伝熱学会, 日本燃焼学会, 日本非破壊検査協会, 日本リモートセンシング学会, 日本流体力学会, 日本レオロジー学会, 日本惑星科学会, 物理探査学会, レーザー学会,日本シミュレーション学会,エアロ・アクアバイオメカニズム学会

講演申込

講演申込日程 開始日:平成27年2月13日(金) ~ 締切日:平成27年3月27日(金)延長されました
講演申込受付は終了いたしました.

論文投稿


本論文投稿日程 開始日:平成27年4月15日(水) ~ 締切日:平成27年5月15日(金)
論文投稿受付は終了いたしました.

講演プログラム

可視化シンポジウム2015講演プログラム(詳細・確定版)[PDF形式]

懇親会

懇親会
(参加費無料)
日時:平成27年7月21日(火)18:25-
会場:工学院大学 中層棟7F 学生食堂


講演内容

(1) 特別講演

7月21日(火)13:00-14:00

神谷 之康 先生(京都大学大学院情報学研究科、ATR脳情報研究所)
「脳画像から心を読む技術」

(2) 特別企画「若手スポットライトセッション」

7月21日(火)16:40-18:00

菊地 謙次 先生(東北大学)
「生物流れの可視化で未来を切り拓く!~バイオミメティクスとシンバイオシスへの展望~」

松田 佑 先生(名古屋大学)
「分子の光で熱流動現象を照らして進む」

渡辺 佑基 先生(国立極地研究所)
「最新の電子デバイスで探る海洋動物の生態」

(3) 一般講演

可視化技術の開発・研究,可視化手法の応用例,可視化情報処理,その他可視化情報に関するもの

(4) オーガナイズドセッション

  • OS1:ウェーブレットと知的可視化の応用
  •  山形大学大学院理工学研究科機械システム工学分野 李鹿 輝
     豊橋技術科学大学機械工学系 章 忠

  • OS2:サイエンティフィックカルチャー&スポーツ
  •  北海道大学工学研究院 村井祐一
     工学院大学工学部機械工学科 伊藤慎一郎
     山形大学地域教育文化学部 瀬尾和哉

  • OS3:レーザ利用の可視化と計測 (PIV, LIF, その他)
  •  横浜国立大学大学院工学研究院システムの創生部門 西野耕一
     近畿大学工学部 竹原幸生

  • OS4:蛍光・燐光を用いた熱流体計測 (PSP/TSP研究会との合同企画)
  •  宇宙航空研究開発機構 研究開発本部風洞技術開発センター 満尾和徳
     産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門 染矢 聡

  • OS5:混相流の可視化
  •  琉球大学工学部機械システム工学科 石川正明

  • OS6:ビジュアルデータマイニング (シミュレーション学会との共同開催)
  •  京都大学高等教育研究開発推進機構 小山田耕二
     お茶の水女子大学理学部 伊藤貴之
     立命館大学情報理工学部メディア情報学科 田中 覚

  • OS7:ビッグデータと知識の可視化
  •  東京大学大学院工学系研究科 美馬秀樹

  • OS8:マイクロ流動の可視化 (マイクロフロービジュアリゼーション研究会との合同企画)
  •  東京大学大学院工学系研究科国際工学教育推進機構学際共同教育研究センター 杉井康彦
     東京理科大学工学部機械工学科 元祐昌廣

  • OS9:心理情報と可視化
  •  東洋大学総合情報学部 加藤千恵子
     東洋大学生命科学部 川口英夫

  • OS10:乱流および乱流遷移現象の可視化
  •  名古屋大学大学院工学研究科機械理工学専攻 長田孝二
     大阪大学大学院 基礎工学研究科 機能創成専攻 後藤 晋

(5) ワークショップセッション

  • WS1:生物の生きる知恵と流体工学
  •  東洋大学理工学部生体医工学科 望月修
     九州工業大学 淵脇正樹

  • WS2:楽器・音響機器・音楽の可視化
  •  豊橋技術科学大学 飯田明由
     明星大学情報学部情報学科 横山真男

  • WS3:地球環境・災害の可視化(可視化共感型防災教育研究会との合同企画)
  •  海洋研究開発機構地球情報基盤センター 松岡大祐
     富山大学総合情報基盤センター 奥村 弘

(6) インダストリアルドセッション

  • IS1:自動車開発における可視化
  •  東京都市大学工学部機械システム工学科 郡逸平
     広島大学 産学・地域連携センター 鬼頭幸三
     マツダ(株) 技術研究所 農沢隆秀
     群馬大学 石間経章

  • IS2:ものづくりの可視化
  •  (株)荏原製作所 能見基彦
     (株)電業社機械製作所 生産本部 技術研究所 研究グループ 富松重行

(7)アートコンテスト

  東洋大学総合情報学部 加藤千恵子
  東洋大学総合情報学部総合情報学科 多田光利
  早稲田大学人間総合研究センター 菅原 徹
  名古屋市立大学 芸術工学研究科デザイン情報学科 高橋信雄

募集要項や申し込みについては、アートコンテストオリジナルサイト[外部サイト]をご確認ください。

(8)学生プレゼンテーションコンテスト

  東京工科大学メディア学部メディア学科 柿本正憲

コンテスト概要、応募資格、選考方法等はこちら[PDF]を参照ください。

<注意> シンポジウム論文投稿期限(5月15日)を超過した場合,コンテストの審査対象とはなりませんのでご注意下さい。

講演時間・参加費

講演時間

講演15分+質疑5分(計20分)
(*セッションにより異なる場合があります.)

参加費

 会員・協賛学協会員・論文投稿者:10,000円
 非会員:12,000円
 学生:3,000円
 (すべて当日参加登録のみとなります)

講演論文集 (冊子・USB版を用意致します)

 会員
  冊子論文集 5,000円
  USB論文集 5,000円
  セット   9,000円
(可視化情報学会員の方はお得な事前予約申込をご利用頂ける予定です)

 非会員
  冊子論文集 7,000円
  USB論文集 7,000円
  セット   12,000円

連絡先

 シンポジウム実行委員会 幹事
  松岡 大祐 海洋研究開発機構 地球情報基盤センター
  〒236-0001 神奈川県横浜市金沢区昭和町3173-25
  E-mail: daisuke@jamstec.go.jp
  Tel: 045-778-5862

第19回 可視化フロンティア「PIV講習会2015」

~可視化情報学会CPDプログラム(技術士/JABEE継続教育)~

概 要

本講習会では画像による流れの可視化を基礎技術としたPIV(粒子画像流速計測法)に関する技術情報を提供することを目的としています.PIVシステムではトレーサ粒子像を撮影してソフトを動作させれば,何らかの「もっともらしい」データを得ることができます.正しい結果であると信じたいところですが,実は“もっと正しい”結果を得ることができるかもしれません.実は大きな落とし穴があるかも知れません.粒子サイズ,粒子の数密度,いろいろなパラメータの考え方はどうでしょうか?本講習会では,広く普及しつつあるPIVをよりよく理解し,適切に活用するための技術情報を提供します.また,講義内容を反映したPIVの実演・実習を行い,論理的かつ直感的な理解を促進します.

企業・大学等の研究者,技術者,大学院生などのうち,流れの可視化計測をこれから実施しようとされている方,実施現場でお困りの方,計測データの処理方法を知りたい方,これまで以上に活用したい方を対象としています.

本講習会技術士やJABEEの継続教育に関する可視化情報学会CPDプログラムの第19回目として位置づけられており,講習会受講者のうち希望者には修了証が発行されます.

日 時:2015年6月8日(月)9:20-18:40

場 所:LMJ東京研修センター

(都営地下鉄三田線 水道橋駅下車 徒歩3分)

定 員:100 名


講習演題

詳細プログラム

9:20~10:45 PIV基礎1 (講師:明治大学 榊原 潤)

10:55~12:10 PIV基礎2 (講師:明治大学 榊原 潤)

PIVの基本的事項について解説する.トレーサ粒子の見え方(回折限界,散乱光強度分布)や流体に対する追従性について学んだあと,粒子移動量の算出(直接相互相関法,サブピクセル補間,バイアス誤差,ランダム誤差,ピークロッキング等)と各種アルゴリズム(FFT法,アンサンブル相関、再帰的相関法,全画像変形等)について理解する.

13:00~14:15 PIV実践1 (講師:宇都宮大学 二宮 尚)

14:25~15:40 PIV実践2 (講師:宇都宮大学 二宮 尚)

PIVシステムを使って実際に流体計測を行う上での諸注意を,各機器の特性に基づいて実践的に解説する.一例として,高価なPIVシステムを導入したが,メーカーの技術者が操作した場合と,自分達だけで操作した場合で,両者が似ても似つかない結果になってしまう場合の原因の解説を行う。また,新規にPIVを導入しようと思うが,どういうスペックの機器が必要なのか分からない場合の考え方などについても触れる.

15:50~16:20 PIV技術者認定について

可視化情報学会では、PIVに携わる技術者の技能向上と、PIVの計測手法としての標準化を目的とし、PIVの技術認定制度の創設を検討しています。PIV講習会に参加して下さった皆様の将来のニーズを把握すると共に、技術者認定の然るべき方向性を模索します。

16:40~18:40 (40min×3) PIV実演・演習(講師:日本カノマックス(株) / (株)フォトロン/ニイガタ(株) )

PIV基礎/PIV実践 で得た情報を,実際に目で視る・触れることにより,理解を深めます.また, PIV計測に重要なモデルメーカにも協力頂き,モデル製作時の要点等を事例をふまえて紹介します.具体的には、ユーザーが陥りやすい問題点や,粒子像サイズや粒子数密度の結果に与える影響について,実体験に基づいて理解を深めます. 本講習では,協力3社が個別に講習を実施し,少人数での体験型学習を行います。学会講演会における機器展示では経験できない貴重な体験となることが期待されます.


参加費:

可視化情報学会 正会員/賛助会員 10000円,可視化情報学会 学生会員 5000円
(協賛学会員は非会員です.申込み時に入会を申請し,会員価格で参加することが可能です.)

非会員一般 25000円,非会員学生(修士まで)10000円.
(非会員価格での参加者は講習会開催後に学会に入会できます.その際,入会費と初年度年会費は無料とします.過去に入会歴のある方は対象外とします.)

クレジットカード決済または銀行振り込みによる事前支払でお願いいたします.
ただし,民間企業については請求書の発行も可能です.
万が一ご出席がかなわなくなった場合も規定通りの参加費が発生致しますので,ご了承ください.その場合,代理の方のご参加が可能となります.



受講申込:

(社)学会支援機構による申し込みページからお申込下さい.

クレジットカードでの決済は,申し込みと同時に行う必要があります.カード決済をご検討の方は,申し込み時にお手元にカードをご用意の上,手続きを行ってください.

民間企業向け請求書(支払期限7月末)の発行も可能です.

万が一ご出席がかなわなくなった場合も規定通りの参加費が発生致しますので,ご了承ください. その場合,代理の方のご参加が可能となりますので,その旨をメールにてご連絡ください.

申込期限:

2015年5月15日2015年5月22日(延長されました).ただし定員に達し次第締め切り.

参考書籍:

PIVハンドブック(森北出版社)を参考資料として利用する場合があります.


連絡先:

実行委員長 イービーエム(株)/早稲田大学先進理工学研究科

八木高伸 E-mail: takanobu_yagi@akane.waseda.jp


主催・協賛:

主催:可視化情報学会

協賛(予定):ターボ機械協会,土木学会日本航空宇宙学会,日本船舶海洋工学会,日本伝熱学会,日本燃焼学会,日本流体力学会

平成23年度事業計画

学会の活動(第23期)

本学会は昭和 56 年に「流れの可視化学会」としてスタートし, 平成 2 年に社団法人「可視化情報
学会」として法人化を行った. 公益法人改革に対応して、平成 23 年 6 月1日に、一般社団法人「可 視化情報学会」として認可され、新たな再出発を行った。一般社団法人への移行に伴い、改めて公益 事業を進めていく学術団体としての可視化情報学会の在り方と位置づけについて、深い議論が重ねら れた。本来、学会とは同じ興味をもった会員が集まり、会員相互の情報交換を行うとともに、より大 きな学術的創成を進めるために、法人格をもった社会集団である。国際会議や学術論文集の発行を通 して社会に貢献し、人類の福祉向上のために活動を推進している事を改めて認識した。

21世紀において、「可視化」は重要な技術となってきている。流れの可視化技術においても、ハ ードウエアとソフトウエアの進歩により、より大量で詳細な情報が得られるようになった。また、情 報の種類や量も爆発的に増大し、情報の可視化技術はますます重要な技術となってきている。先端的 学融合技術である「可視化」をより推進させ、新しい概念の構築や、学術創成につなげていく計画と したい。具体的には、学会の英文論文集Journal of Visualizationを継続的にSpringer社より発刊 し、国際的情報発信の拡大と内容の一層の充実を図っていく。学会員はバックナンバーを含めて自由 にアクセスできるが、より容易なアクセス方法についても検討を進めていく。同様に,和文論文集お よび学会誌発行についても更なる充実・拡充を図る計画である.また、国際会議を主体的に主催・共 催し、国際的な情報発信を続けていく。国内シンポジウムも積極的に開催し、情報共有を進めるとと もに、新しい学融合を推進する。

第25期 表彰

第25期学会賞

論文賞

(1)

表  題: Development of ultrasonic visualizer for capturing the characteristics of viscoelastic fluids
著  者: 白鳥 貴久(北海道大学大学院), 田坂 裕司, 村井 祐一(北海道大学),
武田 靖(Institute of Food Nutrition and Health, ETH Zurich)
対象論文: Journal of Visualization, Vol.16, No.4, (2013) 275-286

技術賞

表  題: High-quality particle-based volume rendering for large-scale unstructured volume datasets
著  者: 坂本 尚久(京都大学), 前田 直哉(京都大学院), 河村 拓馬(日本原子力研究
開発機構) , 小山田 耕二(京都大学)
対象論文: Journal of Visualization, Vol.16, No.2, (2013) 153-162

奨励賞

受賞者:  元祐 昌廣(東京理科大学)
表  題: An Evaluation of Manipulation Force for Droplet by Photothermal Marangoni Effect
関連論文: 12th International Symposium on Fluid Control, Measurement and Visualization (FLUCOME2013), (2013), OS10-01-3 他

映像賞

受賞者:  吉田 晶樹(海洋研究開発機構)
表  題: Three-dimensional visualization of numerically simulated,
present-day global mantle flow
関連論文: Journal of Visualization, Vol.16, No.2, (2013) 163-171

第41回可視化情報シンポジウム ベストプレゼンテーション賞

  1. 講演題目:A Visualization Study for the Dynamic Behaviors of Water Masses for Northwestern Pacific near Japan
    講演者:趙 堃 (京都大学院)
  2. 講演題目:シンセティックジェットを用いた翼周り剥離流れの制御における大規模な渦構造の時空間での可視化
    講演者:阿部 圭晃 (東京大学院)
  3. 講演題目:光熱マランゴニ効果を用いた微小液滴操作時における駆動力の評価
    講演者:武藤 真和 (東京理科大学)

第41回可視化情報シンポジウム アート賞

  • 大賞
    タイトル:現代版ゴッホが描いた地球
    作者:松岡 大祐 (海洋開発研究機構)
  • 金賞
    タイトル:三次元シミュレーションデータの実空間への投影
    作者:川原 慎太郎 (海洋開発研究機構)
  • 銀賞
    タイトル:送灯
    作者:松本 貫 (名古屋市立大学)

全国講演会(会津2013)ベストプレゼンテーション賞

  1. 講演題目:トンボの飛翔メカニズムの解明-空気力と翅周り流れの相互作用について-

    講演者:小林 諒郎(東海大学)
  2. 講演題目:多孔質内における混和性二相の密度差自然対流の可視化

    講演者:末包 哲也(東京工業大学)
  3. 講演題目:2色発光水を用いた水滴温度の可視化

    講演者:飯島 由美(宇宙航空研究開発機構)