第25回 可視化フロンティア「PIV講習会2016-2(東京)」

~可視化情報学会CPDプログラム(技術士/JABEE継続教育)~

概 要

本講習会では画像による流れの可視化を基礎技術としたPIV(粒子画像流速計測法)に関する技術情報を提供することを目的としています.PIVシステムではトレーサ粒子像を撮影してソフトを動作させれば,何らかの「もっともらしい」データを得ることができます.正しい結果であると信じたいところですが,実は“もっと正しい”結果を得ることができるかもしれません.実は大きな落とし穴があるかも知れません.粒子サイズ,粒子の数密度,いろいろなパラメータの考え方はどうでしょうか?本講習会では,広く普及しつつあるPIVをよりよく理解し,適切に活用するための技術情報を提供します.また,講義内容を反映したPIVの実演・実習を行い,論理的かつ直感的な理解を促進します.

企業・大学等の研究者,技術者,大学院生などのうち,流れの可視化計測をこれから実施しようとされている方,実施現場でお困りの方,計測データの処理方法を知りたい方,これまで以上に活用したい方を対象としています.

本講習会技術士やJABEEの継続教育に関する可視化情報学会CPDプログラムの第25回目として位置づけられており,講習会受講者全員に修了証が発行されます.

日 時:2016年12月14日( 水 )9:20-18:40 (9:00開場)

場 所:LMJ東京研修センター3階大会議室

(都営地下鉄三田線 水道橋駅下車 徒歩5分)

定 員:60 名


プログラム(予定)

詳細プログラム

9:20~10:45 PIV基礎1 (講師:明治大学 榊原 潤)

10:55~12:10 PIV基礎2 (講師:明治大学 榊原 潤)

PIVの基本的事項について解説する.トレーサ粒子の見え方(回折限界,散乱光強度分布)や流体に対する追従性について学んだあと,粒子移動量の算出(直接相互相関法,サブピクセル補間,バイアス誤差,ランダム誤差,ピークロッキング等)と各種アルゴリズム(FFT法,アンサンブル相関、再帰的相関法,全画像変形等)について理解する.

13:00~14:15 PIV実践1 (講師:宇都宮大学 二宮 尚)

14:25~15:40 PIV実践2 (講師:宇都宮大学 二宮 尚)

PIVシステムを使って実際に流体計測を行う上での諸注意を,各機器の特性に基づいて実践的に解説する.一例として,高価なPIVシステムを導入したが,メーカーの技術者が操作した場合と,自分達だけで操作した場合で,両者が似ても似つかない結果になってしまう場合の原因の解説を行う。また,新規にPIVを導入しようと思うが,どういうスペックの機器が必要なのか分からない場合の考え方などについても触れる.

15:50~17:20 PIV応用 (講師:明治大学 榊原 潤)

近年,利用が広がっているステレオPIVについて,その原理と使用上の注意点などを解説する.ステレオPIVでは,カメラやレーザーシートのセッティングが重要である.そこで,カメラの配置やキャリブレーションの方法,レーザーシートのミスアラインメントマッチングなどについて解説する.更に,最新の三次元測定法であるトモグラフィックPIVについても概説する.

17:30~17:50 PIV技術者認定について

可視化情報学会では、PIVに携わる技術者の技能向上と、PIVの計測手法としての標準化を目的とし、PIVの技術認定制度の創設を検討しています。PIV講習会に参加して下さった皆様の将来のニーズを把握すると共に、技術者認定の然るべき方向性を模索します。

18:00~18:30 相談コーナー (講師:明治大学 榊原 潤, 宇都宮大学 二宮 尚)

実際にPIVを使っているが上手く行かないとか,こういう計測を行いたいのだがどういうシステムが必要かなど,講習では聞けなかった内容について,自由に相談して頂く時間を講習会終了後に設けます.


参加費:

可視化情報学会 正会員/賛助会員 10000円,可視化情報学会 学生会員 5000円
(協賛学会員は非会員です.申込み時に入会を申請し,会員価格で参加することが可能です.)

非会員一般 25000円,非会員学生(修士まで)10000円.
(非会員価格での参加者は講習会開催後に学会に入会できます.その際,入会費と初年度年会費は無料とします.過去に入会歴のある方は対象外とします.)

クレジットカード決済または銀行振り込みによる事前支払でお願いいたします.
ただし,民間企業については請求書の発行も可能です.
万が一ご出席がかなわなくなった場合も規定通りの参加費が発生致しますので,ご了承ください.その場合,代理の方のご参加が可能となります.



受講申込:

(社)学会支援機構による申し込みページからお申込下さい.

クレジットカードでの決済は,申し込みと同時に行う必要があります.カード決済をご検討の方は,申し込み時にお手元にカードをご用意の上,手続きを行ってください.

民間企業向け請求書(支払期限7月末)の発行も可能です.

万が一ご出席がかなわなくなった場合も規定通りの参加費が発生致しますので,ご了承ください. その場合,代理の方のご参加が可能となりますので,その旨をメールにてご連絡ください.

申込期限:

2016年12月9日(金)(延長されました).ただし定員に達し次第締め切り.

参考書籍:

PIVハンドブック(森北出版社)を参考資料として利用する場合があります.


連絡先:

産業技術総合研究所 染矢 聡
E-mail: s.someya@aist.go.jp

主催・協賛:

主催:可視化情報学会

協賛(予定):ターボ機械協会,土木学会日本航空宇宙学会,日本船舶海洋工学会,日本伝熱学会,日本燃焼学会,日本流体力学会

2017年 可視化情報学会賞候補 募集

2017年 可視化情報学会賞(論文賞,技術賞,奨励賞,映像賞)候補 募集

一般社団法人 可視化情報学会では1986年より論文賞,技術賞,映像展賞,1998年より設置された奨励賞の表彰を行って参りました.本年度もここに,可視化情報学会賞(論文賞,技術賞,奨励賞,映像賞)候補の推薦又は応募を受付けます.この度、授賞対象を見直し、より幅広くの方にご応募頂けるようになりましたので,下記の応募要領に従って,所定の用紙に必要事項をご記入の上,ご提出下さい.

1.可視化情報学会賞

(1) 論文賞:

本学会発行の論文集およびこれに準ずる出版物に発表され,可視化情報に関する学術,技術の進歩・発展に独創的な寄与をし,顕著な貢献をなしたと認められる論文の著者に授与する.

・対象となる論文:


  1. 「可視化情報学会論文集」: Vol.35 (2015), Vol. 36 (2016)
  2. Journal of Visualization: 2015年,2016年に出版されたもの(Online
    First含む)

なお同一課題について2014年1月以前にも論文が発表されている場合には,それを含めて総合題目として候補対象とすることもできる.

・受賞者:本会会員とする.

(2) 技術賞:

2015年1月以降,2016年12月末までの2年間に発表され, 可視化情報に関する技術の活用、普及、教育において、社会に顕著な貢献をしたと認められる可視化に関する技術あるいは機器の作者や開発者に授与する.

・対象となる論文や本学会発行の出版物および国際会議:

  1. 「可視化情報学会論文集」: Vol.35 (2015), Vol.36 (2016)
  2. Journal of Visualization: 2015年,2016年に出版されたもの
    (Online First含む)
  3. 「可視化情報」: Vol.35, No.136~Vol.34,No.143
  4. 「可視化情報」: Vol.35・36 Suppl.Ⅰ:第43・44回可視化情報シンポジウム 講演論文集
  5. 「可視化情報」: Vol.35・36 Suppl.II:全国講演会(京都2015, 日立2016)講演論文集
  6. 「可視化情報」: Vol.35・36 Suppl.III:第21・22回ビジュアリゼーションカンファレンス講演論文集
  7. The 13th Asian Symposium on Visualization (ASV13, Novosibirsk,Russia)
  8. The 11th International Symposium on Particle Image Velocimetry(PIV’15, Santa Barbara, USA)
  9. The 13th International Conference on Fluid Control, Measurements and Visualization (FLUCOME2015, Doha, Qatar)
  10. The 17th International Symposium on Flow Visualization(ISFV17, Gatlinburg, USA)
  11. 10th International Symposium on Ultrasonic Doppler Methods for Fluid Mechanics and Fluid Engineering (ISUD10, Tokyo, Japan)

・上記以外に、本学会が協賛した他学会の講演会・国際会議等で発表されたもの、および、製品発表など、発表のエビデンスを添付できるものも対象とする。

・受賞者:本会会員とする.

(3) 奨励賞:

本学会が主催・共催する行事で発表し,その内容が可視化情報に関する学術・技術の進歩発展に貢献し,将来この分野で独創的で優れた業績が期待される若手の研究者,技術者に授与する.

  • 対象となる業績:上記(1)(2)に準ずる.
  • 40歳未満(2017年6月1日現在)の本会会員とする.

(4) 映像賞:

本学会発行の論文集およびこれに準ずる出版物に掲載された画像,ビデオ登録作品,ホームページに掲載されたフラッシュの中で,独創的可視化技術の開発や可視化技術の新分野への活用を示す作品および可視化しにくい対象や現象をとらえた作品,芸術的表現に優れた作品の作者に授与する.

対象となる論文,画像,ビデオ作品:

  1. 「可視化情報学会論文集」:Vol. 35 (2015), Vol.36 (2016)
  2. Journal of Visualization: 2015年,2016年に出版されたもの(Online First含む)
  3. 2015年1月~2016年12月に掲載されたホームページのフラッシュ
  4. 2015年1月~2016年12月に登録されたビデオ作品

・受賞者:本会会員であることは問わない.

2.受賞候補者資格の補足説明

受賞者は,受賞後3年間は同一の賞の受賞候補になることはできない.
ただし,論文・技術および映像作品の連名者の中に過去3年以内に同一の賞を受賞した者が含まれていても,当該論文・技術および作品に対する貢献度が高い未受賞の著者,作者は受賞候補となることができる.
奨励賞は論文賞,技術賞,奨励賞をすでに受けた者,およびその年の論文賞,技術賞の内定者は受けること
ができない.

3.応募方法

論文賞,技術賞,映像賞は本学会会員からの推薦または本人からの応募による.奨励賞の候補者は本学会会員からの推薦による.

4.選考および表彰方法

表彰部会が選考し,2017年7月の通常総会において表彰する.論文賞,技術賞及び奨励賞の受賞件数は各2件以内,映像賞は4件以内とする.

5.書類提出

推薦又は応募には,以下の所定の用紙をダウンロードし,必要事項を記載の上,pdfにて提出願います.(所定の用紙は本学会の事務局へ請求することもできる).

推薦書様式(
Word形式

6.提出締切日

2017年2月24日(金)必着

7.用紙請求・提出先

〒114-0034

東京都北区上十条 3-29-20-103

一般社団法人 可視化情報学会

Tel: 03-5993-5020 Fax: 03-5993-5026 E-mail: info@vsj.or.jp

第24回 可視化フロンティア「超音波流速分布計測(UVP)の基礎と応用(ハードウェアとソフトウェア)

~可視化情報学会CPDプログラム(技術士/JABEE継続教育)~

概 要

本講習会では,超音波による流れの可視化を基礎技術とした超音波流速分布計測計(Ultrasonic Velocity Profiler: UVP)に関する技術情報を提供することを目的としています.UVPを用いてより正確な流速分布を得るための信号処理手法やポストプロセッシング手法を適切に活用するための情報提供を行うとともに,ハードウェアとソフトウェアを含めた紹介を行います.また,講義内容を反映した実演・実習を交えながら情報提供することで直感的な理解の促進を図ります.

企業・大学等の研究者,技術者,大学院生などのうち,流れの超音波計測をこれから実施しようとされている方,実施現場でお困りの方,計測データの処理方法を知りたい方,これまで以上に活用したい方を対象としています.

本講習会技術士やJABEEの継続教育に関する可視化情報学会CPDプログラムの第24回目として位置づけられており,講習会受講者のうち希望者には修了証が発行されます.

日 時:2016年11月25日(金) 9:30 – 17:30(9:00開場)

場 所:東京工業大学 大岡山キャンパス

環境エネルギーイノベーション棟 多目的ホール(大岡山北地区 ⑩の建物)

アクセス:東急目黒線・大井町線 大岡山駅下車 正門まで徒歩1分

定 員:60 名


プログラム(予定):

詳細プログラム

9:30~10:40 UVP基礎1 (講師:東京工業大学 木倉 宏成)

10:50~12:00 UVP基礎2 (講師:東京工業大学 木倉 宏成)

UVPの基本的事項について解説する.UVP計測の概略やシステム構成,市販のUVP装置における各種パラメータの意味や設定方法などについて解説する.また,トレーサ粒子の種類と選択方法,センサの種類および設置に際しての注意点,オシロスコープによる波形確認の重要性,ポストプロセッシングの方法や,その応用について説明する.市販のUVPを用いて計測のデモを行い,計測方法の概要を解説する.

13:00~14:00 UVP実践1 (講師:神戸大学 村川 英樹)

UVPシステムを使って実際に流体計測を行う上での諸注意を機器の特性に基づいて実践的に解説する.実際の応用例として,テーラー・クエット流れや液体金属,非ニュートン流体における計測,流量計測などの計測例について紹介する.

14:15~15:15 UVP実践2 (講師:東京海洋大学 井原 智則)

速度分布算出のための信号処理手法やそのアルゴリズムについて解説する.また,新規にUVPを導入しようと思うが,どういうスペックの機器が必要なのか分からない場合の考え方などについても触れ,パルサ・レシーバを用いたシステムの構築方法について学ぶ.さらに,新たな機器アルゴリズムの導入や今後の可能性についても触れる.

15:30~17:30 UVP実演・演習 (木倉 宏成,村川 英樹)

UVP基礎/UVP実践 で得た情報を,実際に目で視る・触れることにより,理解を深める.具体的には,ユーザーが陥りやすい問題点について解説し,市販および自作のUVP装置を用いて実際の流体ループにおいて計測を実施する.これにより各種パラメータ,センサ設置方法およびトレーサが計測データに与える影響について,実体験に基づいて理解を深める.



参加費:

可視化情報学会 正会員/賛助会員 10000円,可視化情報学会 学生会員 5000円
(協賛学会員は非会員です.申込み時に入会を申請し,会員価格で参加することが可能です.)

非会員一般 25000円,非会員学生(修士まで)10000円.
(非会員価格での参加者は講習会開催後に学会に入会できます.その際,入会費と初年度年会費は無料とします.過去に入会歴のある方は対象外とします.)

クレジットカード決済または銀行振り込みによる事前支払でお願いいたします.
ただし,民間企業については請求書の発行も可能です.
万が一ご出席がかなわなくなった場合も規定通りの参加費が発生致しますので,ご了承ください.その場合,代理の方のご参加が可能となります.



受講申込:

(社)学会支援機構による申し込みページからお申込下さい.

クレジットカードでの決済は,申し込みと同時に行う必要があります.カード決済をご検討の方は,申し込み時にお手元にカードをご用意の上,手続きを行ってください.

申込期限:

2016年11月18日(金)23日(水)(延長しました).ただし定員に達し次第締め切り.



連絡先:

東京工業大学 木倉 宏成
E-mail: kikura@lane.iir.titech.ac.jp

主催・協賛:

主催:可視化情報学会

協賛 (予定) :
日本原子力学会,ターボ機械協会,土木学会,日本伝熱学会,
日本燃焼学会,日本流体力学会,日本混相流学会,日本液体微粒化学会

2016年行事案内


日程 タイトル 開催場所,開催地 レポート
12月14日(水)
第25回 可視化フロンティア「PIV講習会2016-2(東京)」(主催)
LMJ東京研修センター,文京区
11/25(金)
第22回ビジュアリゼーションカンファレンス(主催)
タイム24, 江東区青海
11/25(金)
第24回 可視化フロンティア「超音波流速分布計測(UVP)の基礎と応用(ハードウェアとソフトウェア)(主催)
東京工業大学 大岡山キャンパス,東京都
11/23(水)-25(金)
第54回燃焼シンポジウム(共催)
仙台国際センター,仙台市青葉区
11/22(火)
風洞シンポジウム2016(主催)
産業技術研究所, つくば市
[PDF]
11/7(月)-10(木)
31st International Congress on High-Speed Imaging and Photonics(ICHSIP-31)(協賛)
ホテル阪急エキスポパーク, 大阪府吹田市
11/2(水)-4(金)
The 4th International forum on Heat Transfer(IFHT2016)(協賛)
仙台国際センター,仙台市青葉区
10/28(金)-30(日)
第64回レオロジー討論会(協賛)
大阪大学豊中キャンパス,豊中市待兼山町
10/8(土)-9(日) 可視化情報全国講演会(日立2016)(主催) 茨城大学日立キャンパス, 日立市
9/28(水)-30(金) 10th International Symposium on Ultrasonic Doppler Methods
for Fluid Mechanics and Fluid Engineering (ISUD 10) (主催)

Abstract: Jan. 31
Notification of acceptance : Feb.29
Extended abstract : Apr.30

Tokyo Institute of Technology
Tokyo, Japan
9/26(月)-28(水)
日本流体力学会 年会2016(協賛)
名古屋工業大学,名古屋市昭和区
9/4(日)-6(火)
第25回日本バイオイメージング学会学術集会「公開講座」並びに「学術講演会」(協賛)
名古屋市立大学薬学部 宮田専治記念ホール,名古屋市瑞穂区
9/1(木)-3(土)
日本実験力学会2016年度年次講演会(協賛)
近畿大学東大阪キャンパス,東大阪市小若江
8/8(月)-10(水)
日本混相流学会混相流シンポジウム2016(協賛)
同志社大学 今出川キャンパス,京都市上京区
7/21(木)
第23回可視化フロンティア「PSP/TSP講習会2016(東京)~蛍光燐光による定量可視化」(主催)
LMJ東京研修センター,文京区
7/19(火)-20(水)
可視化情報シンポジウム(主催)
工学院大学 新宿キャンパス,新宿区
6/29(水)
みえる化研究会- AR(拡張現実)ハンズオン体験会(主催)
東京都市大学 横浜キャンパス, 横浜市
5/31(木)-6/2(土)
第21回計算工学講演会(協賛)
朱鷺メッセ, 新潟コンベンションセンター,新潟市中央区
5/24(火)-26(木)
第53回日本伝熱シンポジウム(共催)
グランキューブ大阪,大阪市北区
5/16(月)
第22回 可視化フロンティア「PIV講習会2016(東京)」(主催)
LMJ東京研修センター,文京区

平成27年度事業計画

学会の活動(第27期)

本学会は、昭和56年(1981年)に「流れの可視化学会」としてスタートしたが、平成2年には「可視化情報学会」として、さらに広く「可視化情報に関する研究の進展と知識の普及のため」の法人としての歩みを進めてきた。この間、「可視化」も、いまや理工学に留まらず社会科学、人文科学を含む様々な分野の基本的な「認識技術」として広く定着してきている。さらに近年は、big data時代と呼ばれるように膨大な情報が入手できる時代となって、その情報の全体像の認識と利活用は、極めて重要な位置を占めている。この意味で、本学会は「可視化」の研究と普及を目指す学術集団として、その役割に大きな期待がかけられている。
これを果たすために、従来以上に、先端的な学術研究の進展、産業界との情報共有と可視化技術の展開、社会のへの普及と啓蒙を強化して行きたい。具体的には、英文論文集Journal of Visualization、和文論文集、学会誌等のいっそうの充実、国内外の会議やシンポジウムの開催、講演会・講習会・研究会の推進に努める。特に、「可視化」を通してより広範な学術分野との交流を進めるとともに、産業界の期待に応えられる学会のあり方、施策を模索したい。また、若手研究者・技術者の声を広く取り入れて活性化を図っていく考えである。

第27期 表彰

第27期学会賞

技術賞

(1)

表  題: レーザーを用いた完全非接触でのLamb波生成可視化技術の開発
著  者: 神田 淳(JAXA) , 細矢 直基(芝浦工業大学) , 梶原 逸朗(北海道大学)
対象論文: 可視化情報, Vol. 35, Suppl. 2 (全国講演会京都2015), C105 (2015)
推薦理由: Lamb波生成にレーザーアブレーション,可視化にレーザードップラーを利用することで,十分な応答性・精度を有する完全非接触のシステムを構築し,自動かつ短時間でLamb波を生成可視化することに成功した.Lamb波を用いた構造損傷検知技術の実用化の道を拓いたという点で,本技術の有効性が示された.

(2)

表  題: Evaluation for rolling behavior of cell-sized particle by lateral observation in microchannel
著  者: 吉田 佳広(東京理科大学),亀谷 雄樹(東京理科大学),元祐 昌廣(東京理科大学)
対象論文: The 11th International Symposium on Particle Image Velocimetry (PIV’15), #B11, Santa Barbara, USA (2015)
推薦理由: 本技術は,これまでの併進運動のみを抽出するPIV/PTVを拡張させる技術であり,微小スケールにおける可視化技術の高度化はもちろん,スケールを拡張することも可能であり,可視化技術の進展に著しく寄与しうる技術であることが評価された.

奨励賞

(1)

受賞者:  田中 洋介(京都工芸繊維大学)
表  題: Thinning and Break-down Behavior of Liquid Film under
a Droplet Floating on the Mother Phase
関連論文: The 16th International Symposium on Flow Visualization (ISFV16),
#1159, Okinawa, Japan (2014)
推薦理由: バックライト法による可視化,デジタルホログラフィ応用計測,PIV等による流動解析など,様々な流れ場に対し研究し,主にデジタルホログラフィを用いた可視化計測において多くの評価される貢献があった.

(2)

受賞者:  八木 佐也香 (NTT (元お茶の水女子大学))
表  題: Storyline を適用した連続数値型時系列データ可視化のためのレイアウト手法
関連論文: 可視化情報, Vol. 35, Suppl. 1 (可視化情報シンポジウム), D108 (2015)
推薦理由: storylineを用いた時系列データ群の可視化法に関する新しい試みの提案がなされた.時系列データ群という,多くの分野で極めて重要でありながらも,情報可視化の分野では比較的研究が少ない対象に対して,発展性のある有望な手法を提案していることが評価された.

全国講演会(京都2015)ベストプレゼンテーション賞

(1)

講演題目: 「生体での感覚・恒常性維持反応の可視化と情報抽出」
講演者: 西村 智(自治医科大学・東京大学・JSTさきがけ)

(2)

講演題目: 「噴出速度の異なる高速乱流バーナー火炎の瞬間三次元密度分布の20方向シュリーレンCT計測と3Dプリンティング」
講演者: 石河 雄太(名古屋工業大学)

(3)

講演題目: 「レーザーを用いた完全非接触でのLamb波生成可視化技術の開発」
講演者: 神田 淳(宇宙航空研究開発機構)

第43回可視化情報シンポジウム ベストプレゼンテーション賞

(1)

講演題目: 「多孔質内におけるレイリーテイラー不安定性の可視化」
講演者: 兵藤陽光(東京工業大学)

(2)

講演題目: 「2段階誘電泳動を用いた腫瘍細胞の連続的分離」
講演者: 清水孝充(東京理科大学)

(3)

講演題目: 「Tomographic PIVによる撹拌槽内乱流の3次元可視化計測」
講演者: 高橋壱尚(横浜国立大学)

第43回可視化情報シンポジウム アート賞

大賞

タイトル: magne-synchronism
作  者: 市川賀康, 武藤真和(東京理科大学)

金賞

タイトル: Chlamy Art
作  者: 菊地謙次, 鹿毛あずさ, 石川拓司(東北大学)

銀賞

タイトル: 3Dプリンタによる透明樹脂を用いた3次元流体ダイナミックスの立体表現
作  者: 大道勇哉, 松尾裕一, 藤野敦志(JAXA), 酒井憲悟(豊通マシナリー), 藤田直行(JAXA)

第28期会長 会長就任にあたって

第28期会長 高橋 桂子

takahashi

Inaugural Address by the President for the Twenty-eighth Term

Keiko TAKAHASHI

7月19日に開催されました平成28年通常総会ならびに第28期臨時理事会におきまして、第28期会長に推挙を賜り、就任することとなりました。本学会は、昭和56年に「流れの可視化学会」としてスタートし、平成2年に「可視化情報学会」として「可視化情報に関する研究の進展と知識の普及のため」の法人として発足し、長い歴史と実績を有します。本学会の会長への就任をたいへん光栄に思いますととともに、その重責に身の引き締まる思いです。歴代の会長をはじめとする皆様のご指導をいただきながら、副会長、理事方々、会員の皆さまならびに事務局の皆さまとともに、学会のさらなる発展にむけて、微力ではございますが誠心誠意取りくむ所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

「可視化情報」は広く社会に認知され、学術界のみならず産業界においても多くの分野でその重要性が認められております。このことは、「可視化情報」科学技術がものごとを理解する際の本質と直結しており、社会のさまざまな発展と相互に連動する分野であることを示していると思います。その意味において、本学会は学術界と産業界および社会をつなぐハブとしての重要な役割を担っていると思います。本学会では、早くからこの重要性が認識され、近年では、一般社団法人化をはじめとして学会体制の充実や会員へのサービスを重視した諸活動によって、多くの実績を積み上げて来ました。第28期においてもこの指針を継承し、着実な歩みをすすめてまいりたいと思います。

その歩みの重要な基盤のひとつは、学会が主催するシンポジウムや講演会であることは周知のとおりです。学術界と産業界および社会をつなぐ「ハブ環境」の提供や会員へのさらなる高いサービス提供が可能なシンポジウムや講演会とするためには、さらにどのような工夫が必要であるのか。その実現にむけた探求と検討を進めてまいります。加えて、学会活動のもうひとつの基盤である研究会や講習会の充実は、第27期の運営においても重要な課題として検討され、環境の整備がなされました。これらの活動がさらに活発に、充実できるよう支援と可能性も探ってまいります。

本学会からの情報発信もきわめて重要であることは言うまでもありません。学会誌、和文論文集および英文論文集Journal of Visualizationはそれぞれの特色を生かしてプレゼンスを高めています。今後はさらにシンポジウム特集号やレビューなどの特別企画も念頭に、プレゼンス向上への実践を進めてまいります。学会ホームページの掲載内容や構成については、これまでも学会員、企業会員の皆様から大きなご協力をいただいてまいりました。より一層の充実を図ってまいりますので、今後も変わらぬご協力をいただきたくお願いいたします。

「可視化情報」のさらなる発展のためには、国内外における学会としての活動も、今後、重要になってくるものと思います。第27期には学会として、日本学術会議大型施設計画・大規模研究計画に関するマスタープランに申請(代表:小山田耕二先生)し、新たな「可視化情報」分野を提唱いたしました。今後は、Society5.0などの施策に対する「可視化情報」科学技術からの貢献なども視野に入れた学会の取りくみが必要となるものと思います。また、人材育成に関連して、他学術組織との連携についても模索が開始されております。人的交流を含めて「可視化情報」の発展に資する機会を捉え、活用できるようさらなる準備と検討に努めたいと思います。

本学会は会員皆様の発展のためにあります。会員の皆様とともに、理事会を中心に各委員会、事務局の皆様と力を合わせて、学術界、産業界および社会における「可視化情報」分野の発展につながるよう努めてまいります。会員の皆様、関係各位のなお一層のご支援とご協力をいただきたく、なにとぞよろしくお願いいたします。