第20期 学会賞
論文賞
表 題: | Pressure-Sensitive Paint Measurement of the Flow around a Simplified Car Model |
著 者: | Yamashita, T., Sugiura, H., Nagai, H., Asai, K. and Ishida, K. |
対象論文: | Journal of Visualization, Vol.10, No.3(July 2007), pp.289-298 |
推薦理由: | Temperature-Sensitive Paint(TSP)により測定された温度分布の変化が, Pressure-Sensitive Paint (PSP) を使用した圧力測定の精度にどのように影響するかについて調査した論文である. 温度分布の変化による測定誤差は, 測定より求めた温度補正係数を用いることで減少することができる. この圧力測定手法を用いてモデル周りの複雑な圧力分布を精度よく可視化することに成功した. この研究成果は産業界での利用価値も高く, 優秀な論文であると考え推薦する. |
技術賞
表 題: | Visualization of Aerodynamic Noise Source around a Rotating Fan Blade |
著 者: | Nashimoto, A., Fujisawa, N., Nakano, T. and Yoda, T. |
対象論文: | Journal of Visualization, Vol.11, No.4(October 2008), pp.365-373 |
推薦理由: | この研究の目的は羽根周りの騒音信号ならびに速度場の測定によって, 回転する羽根の周りの流体騒音分布を明らかにすることである. 騒音の測定は配列したマイクロホンで測定し, 流れ場はPIV測定により可視化している. 騒音源の分布は騒音信号と速度信号との相関解析によって調査している. 本研究により2つの要素が相互に関係する領域において騒音が大きくなっていることがわかった. この結果は回転羽根の騒音低減に有効であり, 広く産業界に貢献するものと考え, 技術賞に相応しいとして推薦する. |
奨励賞
候補者: | 大石 正道(東京大学 生産技術研究所) |
表 題: | 多波長共焦点マイクロPIVによるマイクロ液滴生成機構の定量的計測 |
対象論文: | (1) “Simultaneous Measurement on Liquid-Liquid Two-Phase Microflow using Multicolor Confocal Micro PIV”, 2007 PSFVIP-6, Hawaii. (2) “Measurement of Rotational Motion of Solid Microbead using Multicolor Confocal Micro PIV”,2007 PIV07, Rome. (3)“Investigation of Interaction Between the Flow Inside and Outside of Micro Droplet by Simultaneous Measurement Using Multicolor Confocal Micro-PIV”,2008 ISFV-13, Nice. |
推薦理由: | 大石氏は, マイクロ流動の可視化計測手法である共焦点マイクロPIV技術の研究に従事し, システムの高精度化, 高機能化に尽力した. 特に Micro-TAS アプリケーションへの応用をにらんだ, マイクロ混相流の各相同時計測手法の開発を進めており, 多波長励起, 蛍光分離ユニットの開発や, 油相に均一に分布する蛍光粒子の調製など, マイクロ固液混相流, 液液混相流の可視化計測を可能にした. 本手法は, 界面におけるせん断力の算出や, 粒子状物質の輸送・流動現象, 液液内三次元渦によるミキシング効果の検証などに定量的な知見を与える強力なツールとして期待でき, 国内外での評価も高い. また, 同氏は本学会において第16期から第21期に学会誌編集委員を務めると共に, 第18, 19期に編集委員会幹事を務め, 学会にも貢献している. |
第20期 映像賞
フラッシュ オブ ザ イヤー
表 題: | 気泡を含んだ流れのCIP法による数値シミュレーション |
動画提供: | 東京工業大学 学術国際情報センター 青木 尊之 |
対象画像: | 2009年1月のFlash |
推薦理由: | 気泡を含んだ流れをCIP法により数値解析を行っている. 気体と液体とをレベルセット法により識別し, 気液界面には表面張力, 壁には接触角を考慮している. POV-Rayによるレイトレーシング法で可視化を行い, 非常にリアルで迫力のある画像を再現することに成功しており, 映像賞にふさわしいと判断する. |
表 題: | マイクロキャビテーションを伴うガソリンインジェクター乱流噴霧微粒化プロセスに関する融合可視化シミュレーション |
動画提供: | 東北大学 流体科学研究所 石本 淳 |
対象画像: | 2009年5月のFlash |
推薦理由: | マイクロキャビテーションを伴うガソリンインジェクター内噴霧微粒化プロセスに関して, バロトロピックモデルに基づく圧縮性二相噴霧乱流の基礎方程式系を構成し, LES-VOF数値解析法を用いた高解像度計算と, 噴霧計測結果取り込みからなる最新の一体型超並列融合シミュレーション技法を用いた可視化結果は高く評価でき, 映像賞にふさわしいと判断する. |
表 題: | Visualization of Swirling Flow in Champagne Glasses |
著 者: | Polidori, G.(1) , Beaumont, F.(1) , Jeandet, P.(2) , and Liger-Belair, G.(2) |
著者所属: | (1)Laboratoire de Thermomecanique, UFR Sciences, Reims, France. (2)Laboratoire d’ Enologie et Chimie Appliquee, UFR Sciences, Reims, France. |
対象画像: | Journal of Visualizayion, Portfolio Paper, Vol.11, No.3(2008), 184 |
推薦理由: | Champagne グラスの中に形成される流体運動を可視化するために, 蛍光塗料や固体Rilsanトレーサーを用いたレーザートモグラフィー法を用いている. グラス内に形成される瞬時速度場や渦構造, コヒーレント構造や表面での不安定を見事に捉えて可視化している. これらの鮮やかな映像は映像賞に値すると判断する. |
第36回可視化情報シンポウム
グッドプレゼンテーション賞
- 講演題目:羽ばたき飛翔する蝶の翅の運動解析
講演者:渕脇正樹(九州工業大学)
グッドプレゼンテーション賞 奨励賞
- 講演題目:スカルプチャーアート制作のためのアナグリフステレオ可視化技術の開発
講演者:松浦史法(新潟大学)
全国講演会(釧路2008)
グッドプレゼンテーション賞
- 講演題目:宇宙用小型ハイパースペクトルセンサの試作
講演者:青柳賢英(北海道工業大学大学院) - 講演題目:自己組織化マップ機能を持つ人工ニューラルネットワークによる原子炉安定性診断
講演者:奥村基史(北海道大学) - 講演題目:対象物次元数ディジタルがホログラフィ計測に及ぼす影響のFDTD解析
講演者:中岡象平(京都工芸繊維大学大学院)